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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十四話 ヴォルクルスの影
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「そしてもう一機はバルマーのものらしいけれど」
「これですね」
 彼女はそれに応え図面に写っている二機のマシンのうちの一機を指差した。
「これはまた大胆な外見ですね」
「それで無駄もないしね。何でも地上の二人の科学者が設計したものにクリストフが手を加えたらしいのよ」
「それで」
「確かグランゾンにもバルマーの技術が使われていたのよね」
「それは聞いたことがありますが」
「それに地上やラ=ギアスの技術も入れて。やっぱり天才よね、あいつは」
「何かセニア様が言われると本当に聞こえますね」
「あたしは他人を否定したりしないから」
 彼女はこう述べた。
「だからね。あいつの能力も素直に認められるのよ」
「そうですか」
「あれで。性格がもうちょっとわかりやすければ」
「少なくとも今は敵ではありませんよ」
「それはね。前みたいなドス黒さはないし」
 彼女もそれはわかっていた。
「けれど。相変わらず腹の底は見えないから。それが怖いのよ」
「何か考えている」
「それは確実ね」
 そして頷いた。
「そうじゃなきゃあたし達のところには来ないし」
「はい」
「用心はしておきましょ。敵じゃなくても何を考えているのかわからないし」
「ですね。けれどこれの開発はしないと駄目ですね」
「というかあたしが開発してきたくなったわ」
 にこりと笑ってこう返す。
「何かね、燃えてきたわよ」
「そうですか」
「それでね、手伝ってもらえるかしら」
「私がですか」
「貴女しかいないのよ、いいでしょ」
「困りましたね」
 そうは言いながらも顔は笑っていた。
「子供の頃から私に頼られてばかりで」
「だって信頼できるから。いいでしょ」
「セニア様」
 ここでウェンディは言った。
「何」
「私が今までセニア様の願いを聞き入れなかったことがありますか?」
「いえ、ないけれど」
 覚えている限りはなかった。素直にそれに頷いた。
「ですね。では今回も宜しくお願いします」
「よし、じゃあ早速取り掛かるわよ」
「はい」
 こうして二人はすぐに作業に取り掛かった。だがそれはまだ表には出ていなかった。ロンド=ベルの面々は今はシュウに案内されていく道のことにその関心の殆どを示していたのであった。
「山がどんどん険しくなってきたね」
 ヒメが辺りを見回しながら言う。
「まるで日本アルプスみたいだ」
 見れば山々は雪に覆われていた。そして銀色に輝いていた。
「綺麗だよ、これって」
「そうね」
 そんな彼女にカナンが応えた。
「けれどここにヴォルクルスとやらが眠っているのよね。それを思うと」
「綺麗なのも考えものかあ」
「綺麗なものの中にこそ邪悪なものがある」
  ヒギンズが呟いた。
「ここでもそれは同じなのかな
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