第十九話 動物園での戦いその八
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真剣に考える顔になりだ。こう言った。
「それなら僕達とローズを離間させてくるんでしょうか」
「どうかしらね。細かいことはわからないけれど」
「それでも何かをしてくるのは間違いないですね」
「それは確かみたいね。ゲームセンターでの戦いは挨拶で」
本番はここ、動物園でだというのだ。
「そうなるわね」
「妙に演出に凝るんですね」
ジョージが少しぼやく声で述べる。
「スサノオっていうのは」
「退屈なんだよ、あいつは」
そのジョージのところにキバットが来た。
そうしてだ。そのうえでジョージに言ってきたのだった。
「だからそういうのに凝って退屈を紛らわせてるんだよ」
「全ては退屈凌ぎなんですね」
「そういうことだよ。だから凝るんだよ」
「よくわかりました」
ジョージはキバットの話に頷いた。だがそのキバットを見てだ。
真人がだ。いぶかしむながら言った。
「また随分と精巧なラジコンだな」
「そうね。誰が作ったのかしら」
真央もだ。そのキバットを首を捻りながら見ている。
「紅さん?ひょっとして」
「そうじゃないの?普段はあの人のところにいるし」
「そうね。それじゃあやっぱり」
「ええと。それは何ていうか」
「んっ?俺がラジコンだってか」
キバットは羽ばたきながら言う。
「まあそう思ってるんならそのままでいてくれよ」
「ラジコンですよね、実際に」
「だからそう思ってくれても構わないからな」
キバットは美咲に対しても答えた。
「まあ渡とはいつも一緒だな」
「よくできたラジコンだなあ、本当に」
「音声まで出せて」
双子はあくまでこう考えている。
「紅さんってラジコンが趣味だったんだ」
「バイオリンだけじゃなくて」
「うん、そうなんだ」
紅は彼等の誤解を利用して真実を隠しにかかった。
「ちょっと特別なリモコンで動かしてるんだ」
「俺達もちょっとこういうの造ってみようかな」
「そこ俺達じゃないでしょ」
真央はそのことはすぐに突っ込みを入れて打ち消した。
「私は作らないから」
「それはそうだけれどね」
「ラジコンは興味がないのよ」
完全にだ。男の遊びと思っているからだ。
「だからね。そういうのはね」
「俺一人で、なんだ」
「そういうことよ。まあこんな凄いラジコン滅多に作れないでしょうけれど」
「無理かな、やっぱり」
「かなり難しいわよ」
こう双子の片割れに言う英理子だった。そうしてだ。
島や襟立に静香達がだ。美咲達にだ。
こうだ。言ってきたのだった。
「少し何か食べるか」
「どや?お好み焼きでも」
「えっ、お昼ですか」
「それになんですか」
「そうだ。どうだろうか」
島が美咲と真央に言う。
「渡君達が今から持って来る」
「じゃ
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