第十六話 最後の戦士その六
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「あっ、早いね」
魁がそのスフィンクスの横で言う。
「もう調べたんだ」
「はい。中々いいお店が揃っています」
スフィンクスは満足した声で話す。
「これは中々」
「そんなにいいお店が揃ってるんだ」
「そうです。これはいいものです」
また言うスフィンクスだった。
「しかも大勢で入られるお店もあります」
「滋賀もいいお店多いんだ」
「成程」
皆それを聞いて頷く。実は鯉は今まであまり食べたことがなかったのだ。それで話を聞いてそれぞれこういったことを言うのである。
「それじゃあ鯉こくに鯉のお刺身に」
「油で揚げてそれであんをかけて食べる」
「御馳走よね」
あらためて言うのだった。
「それじゃあそのお店に行って」
「皆で食べましょう」
「鯉もいいがだ」
パルジファルが湖のほとりで戦いのことそっちのけで鯉の話をする一同に顔を向けてきた。特に怒った様子はないがそれでも不機嫌ではあった。
そしてだ。彼はまた言うのだった。
「いいか」
「あっ、王様も来られます?」
「食べられます?鯉」
「どうされますか?」
「鯉はどうでもいい」
パルジファルはそう言われてもそれでも言うのだった。
「それはだ。どうでもいい」
「どうでもいいんですか?」
「凄く美味しいらしいですよ」
「私は食べずとも生きていける」
こう一同に告げた。
「食べずともだ」
「えっ、食べないでも生きていけるって」
「まるで神様」
「聖杯城モンサルヴァートに住む者は聖杯の加護で死ぬことはない」
このことを一同に話す。
「この槍はあらゆる傷を癒し聖杯は力を与えてくれる。もっとも食べることはするがだ」
「想像していたよりも凄い人だな」
「そうよね」
「そんな人だったの」
皆彼のその言葉を聞いて素直に驚いていた。
「それが聖杯の主」
「パルジファル王なんですね」
「そしてだ」
ここでまた話すパルジファルだった。
「話を元に戻そう」
「あっ、はい」
「わかりました」
皆王のその言葉に応える。それぞれはっとした顔になる。
「仲代さんのことですよね」
「そのことですよね」
「そうだ。君達はどうか」
戦隊の面々だけでなく敵達にも問うている。
「君達はだ。どうだ」
「まあ俺達は是非」
「仲間に来て欲しいです」
これが戦隊の面々の言葉だった。
「来てくれるんなら」
「仲代さんさえよかったら」
特に反対することはなかった。全く、である。
そして敵達もだ。実に気軽に言うのだった。
「戦いも賑やかな方がいいからな」
「そうじゃな」
ヴァッフォとミゲラの言葉である。
「わし等にとっても馴染みの顔だ」
「また戦おうぞ」
「我等も別に異論はない」
「その通りよ」
他の面々も同
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