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スーパーヒーロー戦記
第39話 新組織、デストロン
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 薄暗く不気味な部屋。
 周囲には不可思議な機材が置かれておりモニターには小難しい文字が刻まれ続け、その周囲ではボタン等が光り続けている。
 広さはそれ程広くはなく、ざっと見積もってもせいぜい十畳程度の狭い部屋だ。その部屋の中に先ほどの怪人ハサミジャガーは居た。
 そのハサミジャガーは壁に掛けられたマークの前に方膝を付き頭を垂れていた。目上の物に対し尊敬と忠誠を表すかのようにそのハサミジャガーはその姿勢を保っていた。
 そんなハサミジャガーを見下ろすかのように壁に掛けられた彫絵がそれを見ていた。毒サソリをモチーフにした彫絵だ。
 その彫絵の中央には紅い点滅するランプが取り付けられておりそれが点滅すると同時に野太い声が響いてきた。ずんと重低音で凄みのある声だ。

【姿を見られたようだな、ハサミジャガーよ】
「はっ、申し訳ありません。ですが、その男と女の行方を今追っております。必ずやこの手で八つ裂きにして参ります!」

 念を押すようにハサミジャガーは言う。
 只取り逃がしたのであっては自分は処分されるのが落ちだ。
 それ以前に逃げられたままと言うのは彼のプライドが許さない。必ず見つけ出して八つ裂きにしなければ気が済まないのだ。
 そんなハサミジャガーの性格を声の主は知っていた。
 知ってて当然だ。彼等を作ったのはこの声の主なのだから。声の主が命令を送り作り出し命令を送る。この関係こそショッカーと似ている。
 再びランプが点滅した。野太い声が部屋中に響き渡ってくる。

【待て、ハサミジャガー、男は殺して構わんが女は捕えろ!】
「は? 一体何故ですか?」

 意味が分からなかった。この新組織の掟としては、姿を見られたら誰であろうと殺す掟がある。
 にも関わらず目の前に居るその首領は女を捕えろと言う。一体何故?

【その女、恐らくかつて我等に歯向かった時空管理局とか言う組織の人間に違いない。捕えてその女から情報を聞き出すのだ】
「成る程。分かりました、このハサミジャガーにお任せあれ!」
【吉報を待っているぞ、ハサミジャガーよ】
「シザァァァァァス!」

 首領と呼ばれる絵に向かいハサミジャガーは諸手を振り上げて叫んだ。其処へ一人の戦闘員が走り寄って来た。
 敬礼のポーズを取りハサミジャガーの前に立つ。
 黒い覆面を被っている為目でしかその戦闘員の心情を察知できないで居た。
 が、その戦闘員の目はギラギラと輝いていた。恐らく何か吉報を持ってきたのだろう。
 「ギー!」と掛け声を上げた後戦闘員は報告を始めた。

「報告致します。女の身元は不明ですが、男の身元が判明しました。男の名は”風見志郎”。城南大学在学の学生です」
「城南大学だと? あの本郷猛と同じ大学か……丁度良い。我等デストロン設立の祝いとし
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