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学園黙示録 Highschool Of The Dead 〜壊れた世界と紅の狼〜
壊れていく世界と壊していく狼
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『殺人病』だと言い張った。
すると、真紅狼の表情が変り、デモリーダーの男を<奴等>が居る所に投げ捨てた。


「おいおい………!!」


突然投げられ、デモリーダーの男はまともに受け身も取ることが出来ず、地面にたたきつけられる。
そして、音にする方に<奴等>は寄っていく習性があるため、デモリーダーの男は何も知らず声を出してしまい、逃げようにも肩を掴まれ<奴等>に噛まれた。
<奴等>に噛まれている所を、市民やデモ隊は目を背けていたが、真紅狼だけは、平然と普通に眺めていた。
そして、真紅狼はデモリーダーであった男をなんなく撃ち殺し、さらには周りに居る<奴等>も普通に殺していく。
その行動は、そこが地獄だと言う事を忘れるほどにカッコ良かった。
血風が舞っているにもかかわらず、自身の服を汚さず歩く姿がとてもかっこよく見えたのだ。
その後、真紅狼は未だにデモ連中の元に向かい、一言二言言った後、デモに参加している連中は全員、まるで怖い物を見たかのように逃げていった。
だが、その時にはすでに遅く、デモ隊の連中の中に一人噛まれていたヤツが居たらしく、悲鳴を上げるとそこも混乱が生まれてしまった。


そこで俺はテレビを消した。


「………平野は、真紅狼の行動をどう思う?」
「世間的に見たら、狂人そのものにしか見えないと思うけど………ああいう奴等に現状を分からせる為なら、もっとも効果的だと思う」
「何故だ?」
「ああいう奴等は、現状を体験しないと認識しないからさ。いつまでも目を閉じていたって前に進むことは出来ない。なら、いやでも前に進まなければならない状況を作ればいい。蒼騎はデモリーダーの男を使って、それを実現させたのさ」


………真紅狼の行動を深く考えていたら、後ろからいきなり抱きつかれた。


「うわっ!?」
「小室くーん!」
「し、静香先生!!?」
「んふふふ♪ あー、コータちゃんだぁー!」
「え、“ちゃん”?」


その後、流れる様に平野の頬にキスした。


チュッ♪


数秒間の沈黙が流れた後、平野は鼻血を噴水の如く噴き出し、魂までもが飛んだらしい。
顔がニヤけまくってる。


「平野、見張りを頼む」
「あ、うん。うん(◎o◎)」


俺が、静香先生を背負って階段を降りようとした時、ようやく真紅狼が帰ってきた。
〜孝side out〜


微妙に助かった気がする。
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