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リリカルってなんですか?
無印編
第十八話 裏 後 (アルフ、プレシア、なのは)
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 アルフが気がついたのは、見慣れないビルの屋上だった。雨が降っているのか冷たい雫が頬を打っていた。
 緊急的な大雑把な転移魔法だった割には人目につかない場所という点では上出来であると思った。

「フェイトっ!?」

 場所はよかった。ただ自分が助かっただけでは意味がない。自分自身よりも大切な主であるフェイトの具合が気になった。アルフが存在している以上、フェイトが死んでしまったということはないのだろうが、死んでいないというだけでは意味がないのだ。だから、彼女の胸の中で抱かれるように眠っているフェイトを見つけてアルフは安堵の息を吐いた。

「よかった」

 これで一安心といったところだが、安心したからといって油断するわけにはいかない。冷たい雨が降りしきるこの天気の中、長時間外にいれば体調を崩してしまうだろうから。だから、一刻も早くこの海鳴にいる間、拠点としていたマンションに戻る必要があった。

 あそこであれば、最低限の食料はあるし、眠る場所もある。あのクソ婆から解放された以上、フェイトは自由なのだ。これから何でもできる。フェイトが望むならなんだって。だから、今はとりあえず、あのマンションに戻ることにした。

「フェイト、ちょっと我慢してくれよ」

 眠っているフェイトをアルフは背負い、アルフは人目につかないようにビルとビルの隙間を飛び降りた。そのまま着地すれば大怪我は逃れられないだろうが、アルフは使い魔だ。飛行魔法程度なら使うことができる。飛行魔法を使って無事に地面に着地したアルフは、そのまま路地裏から出るように歩き始める。だが、その瞬間、急に力が抜けた。まるで、支えであった柱が抜かれるようにガクンと膝を折ってしまうほどに力を入れられなくなった。

「あ、あれ?」

 それはアルフにとって初めての経験だった。だが、その原因はすぐに分かった。
 フェイトだ。彼女の背中で死んだように眠るフェイトが、アルフが力を入れられない原因だった。

 アルフとフェイトは使い魔という主従関係で繋がっている。正確にはアルフは生命体ではない。狼だった死体を基にした魔法生命体であり、その生命の根源はフェイトの魔力である。つまり、フェイトが弱り、魔力供給も困難なほどになれば、アルフの力が入らないのも無理のない話だった。

 急に力が抜けた原因ははおそらく最後の飛行魔法だろう。次元転移魔法でアルフの中の魔力はほぼ限界値ギリギリだったのだ。供給魔力が足りなくなった最後の一押しをしたのは、間違いなく最後の飛行魔法だった。

「くっ……」

 だが、アルフは動かしにくい身体に鞭打って歩き始めた。この雨が降りしきる中、この場に留まるのはフェイトの体力をさらに削る羽目になる。そうすると、なおアルフは動けなくなる。ならば、今は多少無
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