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リリカルってなんですか?
無印編
第十七話
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に。

 しかしながら、もうすずかちゃんとも3年の付き合いだ。彼女がそう簡単に表に出すような性格ではないことは知っている。学校生活上で、思い当たる悩みならば気軽に聞けるのだが、こんな状況になったのは今日のこと。昨日の帰りまでは普通にアリサちゃんと一緒に塾に行っていたことを考えると昨日の夜に何かあったと考えるべきだろう。つまり、家庭の事情である可能性が高い。そうなると厄介だ。家庭の事情に気軽に踏み込んでいいものか、と思う一方、友達なら気に掛けてるぐらいはいいんじゃないか、と思うところもある。難しい問題だ。

 そんな風に考え事をしながら作業をやっていた罰が当たったのだろうか、不意に右の人差し指が熱くなった。

「いたっ!」

 思わず人差し指を口に運ぶ。人差し指からは血の味がした。

 どうやら、紙で指を切ってしまったらしい。少しの間、人差し指を口の中で転がした後、口から離し、人差し指を見てみると綺麗にスッパリと横一文字に指を切っていた。傷口からはじくじくと血が溢れ、ずきずきと傷口が痛んだ。だが、鋭く切っていることから、血もすぐにとまるか、と考え、傷口を押さえようとハンカチを探そうと左手をポケットに入れたとき、僕の右手から声がかかる。

「ショウくん、大丈夫?」

 横を見てみると、そこには心配そうな顔をしたすずかちゃんがいた。だが、心配されるほどではない。確かに血も出ているが、しょせん紙で切った傷口だ。そんなに深くないし、血は流れるかもしれないが、明日にはよくなっているだろう。
 すずかちゃんに心配掛けないように笑いながらそう答えようとしたのだが、次の瞬間にはそんなことを答える余裕などなくなってしまった。

 不意に僕の手首を掴んだかと思うと人差し指をそのまますずかちゃんの口の中に含んでしまったからだ。

 あれ? と思う暇もなかった。不意の出来事にあっけに取られてしまった僕はなんの抵抗もできなかった。ただ呆然としていても感覚がなくなったわけではなく、特に指先のような神経が集中している場所は感覚が鋭く、すずかちゃんが僕の傷口を舐めている舌の感触がやけに生々しく感じられた。

 少し温かく、絡まってくる舌の感触に加えて唾液が絡んでくる感触は、僕の思考能力を根こそぎ持っていってしまった。すずかちゃんに声をかけることもできず、ただ彼女が僕の指を加えて傷口を舐め続けるのを見ながら、うるさいぐらいに高鳴る心臓をバックミュージックにして、ただただ呆然としているしかなかった。

 いかほどの時間が経ったのか、僕の呆けた思考回路ではまったく測定ができなかったが、やがてゆっくりと名残惜しそうにすずかちゃんが僕の指を離す。今まで口内にあった指が外気に触れて少し冷たく感じたところで、ようやく僕の思考回路は正常に動き出し、改めてすずかち
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