無印編
第十六話
[1/11]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
月村家でジュエルシードの反応を見つけながら、ジュエルシード自体は見つけられなかった休日から数日後のゴールデンウィーク前にある奇妙な連休。僕の前世の記憶が正しければ、ゴールデンウィーク前にはこんな連休はなかったはずだが、この世界では存在するのだから仕方ない。
さて、本当なら朝からジュエルシード探しに奔走している僕たち四人なのだが、今日は毛色が違った。今日は四人ではなく、六人だ。追加の二人は美由希さんとなのはちゃんのお母さんである桃子さん。おばさんと呼ぶにはしり込みしてしまうような若さを保っている桃子さんをおばさんと呼ぶことはできず、桃子さんという呼称で納得してもらっている。
前回からあまりにジュエルシードの発見率が低いための人海戦術の投入か? とも思ったが、真相は異なる。もしも、人海戦術なら僕たちはこんなところでベンチに座ってなどいない。
「長いですね」
「こんなものさ」
僕と同様にベンチに座る恭也さんは慣れているのか、なんでもない風に答えてくれる。僕だって女の人の買い物が長いことぐらいは知っている。ただし、それは知識で、だ。実際に遭遇するとなると確かに長い。ただ待つだけという時間が無性に長く感じるのかもしれないが。
そう、なぜか今日、僕たちはショッピングモールへ買い物に来ていた。買い物と言っても日用雑貨品ではない。なのはちゃんの洋服だ。なぜ、こんなことになったのか分からない。気づいたら、僕たちはショッピングモールにつれて来られていた。ちなみにユーノくんは一人でこの周辺を探ってもらっている。僕と恭也さんはそれに着いていくべきかと思ったが、桃子さんと美由希さんがそれを許してくれなかった。
なぜ? と問いかけても、明確な答えは返ってこなかった。ただ、美由希さんが答えてくれたことが気になる。美由希さん曰く『君のせいだから』ということらしい。
こうやってなのはちゃんの洋服を買うためにショッピングモールに来た理由はどうやら僕にあるらしい。しかも、待っている間に恭也さんから聞いたのだが、なのはちゃんがこうやって洋服を買いに来ることは今までなかったようだ。
その二つの要素から考えるに、僕に付随して洋服に関する出来事になのはちゃんが遭遇して今日の予定を決めたということになるだろう。そう考えると、見つかる解は一つしかない。つまり、先週の月村邸のことだ。すずかちゃんが見せたあの黒いワンピースのような洋服。それを見てから? いや、それなら、『僕』に理由があるとは考えられない。ならば、すずかちゃんに対して僕が行った行動が原因ということだろうか。そうだとすると、僕がすずかちゃんの洋服を褒めたことぐらいしかない。
なるほど、僕の想像でしかないが、確かに筋は通っているだろう。なぜ、僕がすずかちゃんの洋
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ