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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第九話 オーベルシュタイン
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て分かってるのか?

「馬鹿な、一体何を言っている。冗談でも言っているつもりか」
金髪が呆れた様な顔をして親っさんを見ている。まあそうだろうな、自分の軍師がスパイだなんてちょっと信じられないよな。その気持ちは良く分かるぜ、金髪。でも親っさんは“そうです、面白い冗談なんです。続きを聞いてください”って言って言葉を続けた。親っさん、頼むから笑うのは止めてください。俺、寒いです。

「閣下が元帥になられた頃ですが国務尚書であったリヒテンラーデ公には大きな不安が二つありました。一つはブラウンシュバイク、リッテンハイムの外戚が大きな勢力を持ち帝国の後継者が決まらない事。もう一つはローエングラム侯、閣下です」
「……私?」
金髪が眉を顰め親っさんが頷いた。周囲からはコソコソと私語が聞こえる。総参謀長の事を話しているのかな、それとも他の事か。連中、チラッ、チラッって親っさんを見ている。

「二十歳の元帥、このままいけば何処まで行くのか? もしかすると簒奪を考えるのではないか……。そう危惧するリヒテンラーデ公を閣下はさらに不安にさせる事をしました……」
「何だ、それは」
あれ、なんか楽しそうだな。金髪ってこういうの好きなんだ。でもなあ、お前何時まで楽しめるか疑問だぞ。大体こういうのって最後は引き攣って終わりなんだ。

「下級貴族、平民出身の提督を抜擢し正規艦隊司令官にした事です。リヒテンラーデ公にとっては閣下が下級貴族、平民を統合し新たな勢力を作ろうとしているように見えた。そしてカストロプの動乱、キルヒアイス提督が僅か十日で鎮圧しています。リヒテンラーデ公の不安はさらに大きくなったでしょう。否定できますか、閣下」
「……いや、否定はしない」
金髪が呟いた。何か考えてるな、昔の事を思いかえしてるのか? 金髪の配下も皆考え込んでいる、話している奴は居ない。

「そんな時、オーベルシュタイン総参謀長がイゼルローン要塞から味方を見捨てて敵前逃亡してきた。リヒテンラーデ公は総参謀長に閣下の元に行くように命じた……」
「馬鹿な、そんな事は有り得ない……」
金髪は首を左右に振っている。

「初めて会った時、総参謀長は閣下に何を話しました?」
金髪が親っさんを見た。何だ、変な顔だな、迷っているのかな。そして少し間をおいてから話し始めた。
「……ゴールデンバウム王朝を憎んでいると」

また周囲がどよめいたぜ。おいおい、こんなところで言って良いのか? 俺達を信頼してるって事かな? まあ誰しも多かれ少なかれ帝国を憎んではいたさ、門閥貴族どもが好き勝手やってたからな。何とも思っていねえのは門閥貴族ぐらいのもんだったろう。

「やはりそうですか……。リヒテンラーデ公が最も知りたかった事でしょうね。閣下がそれを
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