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インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
維持でも話す気はない
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 それだけ言って楯無は消えた。





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 現在は日にちが進み、今度行われる『キャノンボール・ファスト』に専用機の数が多いこともあり、一年は専用機持ちグループと訓練機グループとで分かれてするらしい。
 それで一夏とオルコットが見本を見せているのだが、

(今度の大会、どうしようか………)

 まぁ、無難に走りますか。

『でも、ねぇ………』
『最悪の場合、中止ですね………』
(文化祭の時にイギリスから『サイレント・ゼフィルス』という機体が盗まれたことが判明したしなぁ………。本当に盗まれたどうかは怪しいが)
『どういう意味?』
『つまり、本当はデータを取らせるためにわざと渡した―――と言いたいのですか?』
(そういうことだ)

 その可能性はあまりないだろうが、完全にないとは言えない。まぁ、各国の思惑なんてどうでもいいが、こっちにまで迷惑をかけられたら困るというのが本音だ。
 そう考えてため息を吐いていると、ふと本音が視界に入った。どうやら今度の大会に出る気はないらしく、こっちに近づいてくる。

「今度は本音を使って聞き出す気か、あの女は?」
「違うよ〜」
「じゃあ、何が目的だ?」

 ―――スリスリ

 本音は擦り寄ってくるが、肝心の俺はわかっていなかった。

「はぁ。ちょっとは公衆の目を考えろ。全員がこっちを見ているだろ」

 ただでさえ俺は不穏分子とされていて、周りから批判を受けている。原因は誤解とはいえ女に手を出したことらしいが、喧嘩を売っている風情がそれを言うかというのが本音だ。

「良いんだよ〜」
「大体、お前が前みたいに虚先輩に怒られるだけだぞ」
「いいも〜ん」

 はぁ、とため息を吐きながら俺は本音を退かせた。

「とにかく、俺はエネルギー相談に行ってくるから」
「いってらっしゃ〜い」

 本音の相手をするのに初めて疲れた瞬間だった。

「おーい、祐人」

 そしてちょうど呼ばれた。

「何だ?」
「いや、祐人って整備面も明るいんだろう? それなら箒の紅椿の展開装甲についての意見をもらおうと思ってな」
「ぶっちゃけて言えば紅椿は展開装甲を使う割にはシールドエネルギーが少ないんだよ。前の事件も調子を抑えられなかったことと一夏の甘さ以外に挙がるのは白式と紅椿の燃費の悪さだ」

 それだけ言って一夏をどこかに行かせる。
 最初は少し不満そうにしていたが、ちょっとばかり脅すと文句はなくなった。

「それと、そもそも紅椿はワンオフ・アビリティー《絢爛舞踏》を使用するのを前提に造ったんだろうと思うな。そしてたまたま発動しているのを見たがその時に心の中で噴いた」
「そ、そんなに私の姿がおかしかったのか?」

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