第十四話 伊勢巡りその六
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「博士なんて凄く目立つ人なのに」
「ははは、誰にでもそういうことはありますから」
博士の返答は優しい。
「それでなのですが」
「うん」
「ワームというのは何でしょうか」
博士が問うのはこのことだった。
「今急に話に出てきましたが」
「知ってる人いる？」
「さあ」
「そっちの世界はちょっと」
殆どの面々がそれを言われてもきょとんとなる。
「虫、じゃないし」
「名前はどっかで聞いた覚えがあるけれど」
「何か詳しいことはわからないし」
「そうそう」
「小梅ちゃんちょっとだけわかるわよ」
言えるのは小梅だけだった。
「あれよね。人に擬態してそれで世の中に潜伏しているっていう」
「何それ、滅茶苦茶危険じゃない」
「確かに」
皆それを聞いて一斉に顔を顰めさせる。少なくとも彼等が今まで戦い今も戦っている面々とは桁外れに危険な存在であることはわかった。
「そんなのが世の中にいたら」
「もう洒落にならないし」
「それによ」
しかもであった。今言ったのは茉子である。
「仮面ライダーと戦っていたのよね」
「ああ、仮面ライダーか」
「あれか」
千明と流ノ介は彼女の言葉からその存在について思い出した。
「あのディケイドとかいう奴だったな」
「あの者達か」
「うち等とあの人達の世界って基本的に違うし」
ほのかもである。
「そやからよおわからんけれど」
「しかしつながりはあるみたいなんだよな」
源太もそれはわかっていた。
「あの連中ともな」
「そうだな。だが俺達が今前にしているこの人はだ」
丈瑠はこのことを話した。話が元に戻った。
「ワームとやらではない」
「そうなの」
「そうだ、断言できる」
こうエリにも返す。
「生きている存在だ。紛れもなくな」
「それも人としてだな」
薫も言ってきた。
「紛れもなくな」
「本当に生きていたなんて」
「今も信じられないよな」
「全くだ」
ハリケンジャーの面々は今も驚きを隠せない。彼等にとってはとても信じられないことだったがそれでも実際に相手は目の前にいるのだ。
「シュリケンジャーも人が悪いっていうか」
「本当にね」
「生きているのなら最初から言ってくれたらいいのに」
「流石に警戒してね」
そのシュリケンジャーの言葉である。
「ユー達には悪いことをしたけれどね」
「それでだが」
御館様はここで一同に対して言ってきたのだった。
「これから皆にしてもらうことがある」
「してもらうことっていうと」
「一体何だろう」
「修行？やっぱり」
「それ以外に考えられないけれど」
「修行もまた入っている」
こう述べるのだった。
「しかしそれだけではない」
「それだけではないっていうと」
「まだあるんですか
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