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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
壊れゆく世界◆ユイ――MHCP001
第三十六話 サーシャ
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「先生! サーシャ先生! 大変だ!!」
 サーシャとマルバたちがユイについて話している時、一人の少年が部屋に飛び込んできた。
「こら、お客様に失礼じゃないの!」
 サーシャが慌てて叱るも、彼はそれどころではないとばかりに叫んだ。
「ギン兄ィたちが、軍の奴らに捕まっちゃったよ!!」
「――場所は!?」
 サーシャは別人のようにすっくと立ち上がり、毅然とした態度で訊いた。
「東五区の道具屋裏の空き地。軍が住人くらいで通路をブロックしてる。コッタだけが逃げられたんだ」
「解った、すぐ行くわ。――すみませんが……」
「僕達も行きます。向こうが大人数ならこちらもたくさんいたほうがいいでしょう」
「――ありがとうございますッ!! それじゃ、すみませんけど走りますよ!」


 サーシャが向かった先ではすでに戦闘が始まっていた。
 ――いや、戦闘などではない。これは一方的な攻撃だ。一人だけ他と違う格好をしたプレイヤーが次々と指示を叫んでいる。あの声は――
「コーバッツさん!?」
「やあ、久しぶりだな、諸君!」
「コーバッツさん、こんなところでなにをしているんですか!?」
「キバオウ派の奴らが徴税とか抜かして市民から金を巻き上げてるものでな、懲らしめているところだ! 済まないが少々手伝っていただけると助かるのだが!」
 マルバたちは一瞬顔を見合わせると、すぐに声を張り上げてコーバッツの指示を仰いだ。
「解った、僕たちは何をすればいいのー!?」
「俺達は今来たばっかでどういう状態か分からねぇんだ! どうすればいいかだけ教えてくれ!!」
「ありがたい! 向こう側の奴らを適当に攻撃してくれないか! 戦闘慣れしてないやつばかりだから、多少突っついてやればすぐに逃げ出すはずだ! ここにいた子どもたちは我々が保護した、だがもし見かけたらこちらに連れてきてくれ!」
 了解、という言葉と共にマルバたちは散開し、《軍》を相手に散々暴れまわった。



 一晩明けた後。《リトルエネミーズ》とキリトたちは教会の一室を借りて休ませてもらった。コーバッツはサーシャに話があると言って再び教会を訪れていた。
「改めてお礼を言わせてください。昨日は本当に助かりました。ありがとうございました」
「いえいえ、礼はコーバッツさんたちに言ってください。私達は彼らの手伝いをしただけですので」
「コーバッツさん、でしたっけ? 子どもたちを助けてくださり、ありがとうございました」
「いや、礼には及ばぬ。我々は当然のことをしたまで。むしろ私は謝らなければならない。この度は《軍》の者が迷惑をかけて申し訳ない」
 深々と礼をするコーバッツに恐縮しながらも、サーシャは疑問に思ったことを尋ねた。
「あの、この街では《軍》というと一般プレイヤーからコルを巻き上げて回る
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