暁 〜小説投稿サイト〜
IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
動き出す世界
[1/11]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 今日はIS学園前期の終了式。と言っても1年生だけです。
 IS学園はその特性上、授業内容が大幅に違う1,2,3年と数日ずつ終了式が遅くなるのです。1年生と3年生を比べると1年生の方が10日程早く終わります。

 既に終了式は終わり、皆さん自分の部屋へと戻っています。本格的な夏休みは明日から。
 そして私の帰国も明日の予定。というより大体の外国人は夏休みの初日に帰国する予定です。
 IS学園で学んだ内容、どんな人物がいるかなどモロモロの報告。そして今回の一番重要な案件、織斑一夏、そして追加された案件、『白式』と『紅椿』、『銀の福音』の報告。
 一応今日までに大体の報告書は送ってあるけど、文字で報告するのと実際に体験した人の言葉で伝えるのは感じるものが違う。それに……

「あなたのこともあるしね」

 首に掛けてある金の指輪を服の上から触る。あの後、帰ってきてチェックした結果はダメージレベルDのパッケージ大破という最悪の結論。しかも期末試験が近かったためにリース先輩たちを含む上級生整備科の方たちの手も借りられず、ISの自己修復機能を持ってしても現在のダメージレベルはC−(マイナス)。しかも福音との戦闘時には既にダメージレベルはDだったため特殊なコアバイパスが出来ている可能性もあり、本国での精密な検査が必要です。

 前途多難……ですね。

 箒さんは部活で今部屋にいませんし、愚痴を零すことも出来ませんよ。
 寂しさに駆られてテレビのリモコンを取ってスイッチを入れる。
 映し出された画面は今正にニュースが始まるところでした。
 その……内容は……

「嘘………」

 自然と私の口からはその言葉が出ていた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 EU加盟国ルクセンブルク大公国、首都ルクセンブルク。

 世界で最も裕福な都市の一つであり、フランス革命時に築かれた要塞は今もなお堅牢でありながら美しい街の景観を作り出している。
 EUのほぼ中央に位置するその地理上、EUの拠点として欧州の銀行、司法など重要機関の多くが集まっている重要な場所でもある。

 その首都の何の変哲も無いどこにでもあるようなホテル。そのホテルにある総勢10名前後しか入れない狭いとも言える会議室の中央には円卓が置かれており、そこにはスーツ姿の女性が2人待機している。1人は既に座っており、もう1人はその人の後ろに控えるように佇んでいる。
 座っている1人は腰辺りまである長い金髪に深緑の瞳の女性で、スーツ姿とはいえ少しでも隣にいれば見惚れるほど1つ1つの動作が優雅だ。

「紅茶頂ける?」

「はい」

 座った女性が後ろに立ったもう一人の女性に声を掛ける。立っている女性の髪は背中の
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ