二度ある事は三度も四度もある
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<ラダトーム>
宿屋の大食堂で遅めの夕食を取るリュカ達…
そこに別行動でバコタの身を案じた4人が合流する。
「お帰り…悪いけどお腹空いちゃったから先に食べてるよ。ティミー達の分も頼んであるから、遠慮無く食べてよ」
何時もの緊張感のない声がティミー達を包み込む。
疲れ切った表情のティミーは、席に着くなり大型犬用の首輪をリュカの目の前に置き、溜息混じりで話し出す。
「ったく…ハッタリならハッタリだと、あの場で教えてくれても良いじゃないですか!」
そう…バコタの首輪は爆発しなかった。
ティミーが最初に思った通り、リュカのハッタリだったのだ。
「(ニヤリ)アイツ…どうだった?」
「…首輪が爆発しないと確認すると、凄い勢いで外し床に叩き付けてました。悔しそうでしたよ…」
息子の報告に大満足のリュカ。
人質にされた娘も、力一杯ガッツポーズする。(因みに彼氏の喜びようも凄かった)
「しかし…アイツを騙すのなら、俺達にも全容を教えてくれても良かったんじゃねーの?何で俺達にまで秘密にしたんだよ!」
作戦を知らされなかったカンダタが、リュカに対し不満を告げる…
「ダメだね!特にお前には事前に知らせられない…」
「な、何でだよ!俺が裏切るとでも思ったのか!?」
リュカの一言にムキになるカンダタ。
「そうじゃない…僕はお前の事を信用している。だがお前は嘘が下手だ!事前に知らせていたら、お前は奴を見る度にニヤケてただろう…話では、お前と奴は以前仲間だったそうじゃないか。お前の性格から、昔の仲間が不遇な目に遭っているのに、ニヤケて居る事は不自然なんだ。お前が一際奴を気遣っているからこそ、奴はあの首輪をハッタリだとは断言出来なかったんだ。お前の事を信用してない訳では無いが、今回はその長所が仇となる事例だったんだよ…」
「な、なるほど…でも、ティミーには知らせて、俺達には知らせてくれないのはズルイなぁ…」
リュカの説明に納得するも、ティミーだけを特別扱いした事に不平を言う…
「それは僕にも計算違いだった。まさかあそこでティミーが気付き、僕に話を合わせてくるとは…お陰で時間短縮出来たよ!いや〜…柔軟な思考が出来る様になったもんだ!愛する者が出来ると、人はこうも変わるものなんだねぇ…」
そう言って、水の注がれたグラスを手に持ち、ティミーに向けて軽く掲げるリュカ。
その行動に、アルルを抱き寄せてサムズアップで答えるティミー。
「あ、貴方本当にティミーなの?世界で一番リュカを理解してなかったクセに…」
ビアンカの一言が、皆の視線を変化の杖へ集めさせる。
口の周りをソースでベチャベチャにしたラーミアが、キョトンとした顔で座っている…首から変化の杖をぶら下げて。
さて日付も変わりアルル達は今日もラダトーム城に
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