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くらいくらい電子の森に・・・
第四章 (2)
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ぞって、ソフトを起動した。
「これを見ろ」
立ち上がっているのは、何の変哲もないIE。Yahooのトップページが表示されていた。
「…冬まっしぐら!憧れウインタースポーツ特集…」
僕は南国の出身なので、ウインタースポーツはちょっと……。
「馬鹿、そっちじゃねぇよ」
紺野さんに画面右下を指し示された。Yahooの広告スペースだと思ってた薄黒い画面を、女の子や動物が行ったりきたりしている。
「……なにこれ」
「今このサイトにいるMOGMOG達だ。こういう風に見えると、楽しいだろ」
「……ってことは……」
「俺が作った。サイト内のMOGMOGを視覚化するツールだ」
へぇ…胡散臭い人だと思ってて実際胡散臭いけど、紺野さんすごいじゃん。
「でもなんでこんなものを」
「企業秘密だよ」
紺野さんは一通りサイト内のMOGMOGを見渡すと、ノーパソを閉じた。
「このツールを使って、探してほしい」
「ふぅん……」
紺野さんの言葉を待った。今、僕に話していい部分と、話してはいけない部分を必死により分けてるようだったから。

やがて、紺野さんが顔を上げた。
「この特殊なMOGMOG…便宜上、『MOGMOGα』と呼ぶことにするか。MOGMOGαを持つ人間は、俺とお前のほかに、あと18人いる」
「少ないな。モニターとしても不十分じゃないの」
「ま、事情があるんだ。……で、その中の一人が、失踪した」
「旅行かなにかじゃなくて?」
「それはありえない」
紺野さんはきっぱりと言い切り、飲み終わった珈琲カップをテーブルの隅に押しやった。そしてお代わりをオーダーすると、MOGMOGα頒布の経緯について話し出した。
 目的は話して貰えなかったが、MOGMOGαは、場合によっては本人にすら極秘にモニターとなる人間を必要としていた。対象となった人間は3パターン。寒空の下、MOGMOG求めて並んでいた僕のような、大してパソコンに詳しくないけれどMOGMOGが欲しくてたまらないタイプ(誤解だったわけだけれど)、そして、MOGMOGαの頒布についてある程度内情を知っていて、ネットワークに精通している内部の技術者。そして……長期入院患者。
「長期入院患者?」
「ああ。パソコンや読書くらいしかやることがなく、外界との接触も少ない。おあつらえむきのモニターだったんだよ。実は、長期入院患者のモニターが一番多い」
「へぇ…」
「一月前くらいから病院に出入りして、友達になってMOGMOGをプレゼントするという名目で、MOGMOGαをインストールした。…大変だった」
「…そうだろうね」
こんなサイバーパンク映画の悪者みたいな人が、髑髏のシルバーをチャラつかせて病棟をウロウロしてたら、つまみ出された回数は1回や2回じゃないだろう。
「で、失踪したのは長期入院
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