第八話 信の激突その二
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「それならですね」
「そう、万全の態勢で迎え撃つ」
響鬼の言葉が強いものになる。
「そうすればいいんだ」
「普段の鬼の戦いとはそこが違うにしろですね」
「勝たないといけないのは同じなんだ」
あえて単純化してだ。響鬼は言ってみせた。
「戦いなんだからな」
「だからこそ毎日鍛えてですね」
「この世界でもな」
「はい、わかりました」
明日夢も頷く。そうしてだ。
彼等も鍛錬を続けていた。そうして義仙を待っていた。その中には慶彦もいる。彼も道場に入り敵が来るのを今か今かと待ち受けていたのだ。
そうした日が数日続く。その中で。
修業の合間にだ。宗朗が言う。
「そろそろかな」
「来るんですね」
「そう、来る」
こうだ。宗朗にも応える。
「それも今度は」
「二人で、ですね」
「多分その二人を倒したら」
それからもあるというのだ。
「スサノオが出て来るだろうね」
「そうじゃろうな。そのスサノオとやらもじゃ」
幸村も話に加わってきた。
「わらわ達の力を見たいというのならじゃ」
「人間を見たいのなら」
宗朗も考える顔になり素振りを止めて言う。
「僕達と直接戦うことも」
「考えていますね」
半蔵もそのことに気付いた。
「だとすると今度の戦は」
「続けての戦になりますね」
又兵衛が半蔵のその言葉に応える。
「柳生義仙と天草四郎」
「その後にスサノオとの」
「激しい戦いになるのは間違いないわ」
千姫も顔を険しくさせて述べる。
「これまで以上のね」
「けれどあれですわね」
兼続は今もあまり考えていない。
「勝てばいいだけですわ」
「御主は本当に気楽じゃのう」
そんな兼続の言葉を聞いてだ。幸村は呆れる顔で応えた。
「全く。楽な相手ではないぞ」
「そうよ。相手はスサノオ達だけとは限らないわ」
千姫もその兼続に言う。
「周りに何が出て来るかわからないわ」
「そういえば」
言われてだ。兼続もはたと気付いた。ようやく。
「響鬼さん達が仰っていたけれど」
「他の世界のよからぬ者達もいる」
ダルタニャンが言う。
「そうした連中が来ても」
「おかしくはないですわね」
「そうなるから」
「何かそういうことを考えるとじゃ」
幸村があらためて言う。
「この度の戦尋常なものではない」
「多くの世界が複雑に絡み合ったものだね」
宗朗はそこまで読んでいた。
「それだけに長く激しいものになるから」
「ううん、けれどやるしかないよね」
十兵衛は彼女らしく答えた。
「戦って勝つしかね」
「わたくしと同じ様なこと言ってますわよ」
兼続はそう言う十兵衛をじと目で見ながら幸村達に問う。
「この娘はいいんですの?」
「十兵衛は結果を残す」
幸
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