第七話 義の戦その二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「スサノオは人間を試す神で」
「黒衣の青年は人間を助ける神ですね」
「で、そこにバトルファイトの話も入って」
あの戦いのことも話されていく。
「ヒューマンアンデットやスマートレディやら」
「ええ、その話は聞かせてもらったけれど」
今度は千姫が言う。
「凄い神様ね」
「しかもその神を一時は敵に回しておったとは」
幸村はかつてのアギトの戦いのことに言及した。
「御主等凄いというものではないぞ」
「貴方達はそうした戦いを経てこられたんですね」
宗朗もだ。感心する様にして述べる。
「だからこそそこまでの強さなんですか」
「神さえも凌駕する」
「そこまでの力じゃな」
「力の問題じゃないんだよ、これがな」
しかしだ。響鬼は笑ってそのことは否定した。
「あれだよ。要はな」
「大事なのは?」
「というと」
「心なんだよ」
それがだ。大事だというのだ。
「人間っていうのはな」
「そうそう、心なのよ」
十兵衛が響鬼のその言葉に応える。そうして。
ここでだ。こう言ったのだった。
「お代わり」
「まだ食べるんですか」
「うん、だってまだ五杯目だよ」
驚く又兵衛ににこりと笑って話す。
「十杯は食べないと」
「ううん、何か大食の方は」
戸惑いを見せながら。又兵衛は十兵衛の茶碗を受け取りお櫃から御飯を入れながら言う。
「前よりも凄くなっているかも」
「いや、五杯は普通じゃろ」
幸村もここでお代わりだった。
「わらわもそれ位食べるぞ」
「確かに。幸村様も」
「腹が減っては戦ができぬ」
非常によく言われる言葉がここでも言われた。
「そういうことじゃ」
「はい、では」
「うむ。それでじゃ」
ここまで話してだ。そうしてだ。
幸村は響鬼に顔を戻し。問うたのだった。
「心じゃが」
「確かに力も必要だよ」
鬼としてだ。それはどうしてもだとだ。響鬼は言う。
しかしだ。それと共にだった。
「けれどそれ以上にな」
「心があってこそか」
「何かが出来て果たせるんだ」
これが響鬼の言葉だった。
「そうなんだよ」
「ううむ。義じゃな」
「義?」
「うむ、義じゃ」
それだというのだ。
「わらわ達のそれは義になるな」
「その義があるからアギトは神に勝てたっていうんだな」
「そうなるな」
こう響鬼に話す幸村だった。
「ひいては」
「それがわらわ達にとっては義になるのじゃ」
「義、忠義か」
「忠義とは限らん」
義とはだ。それだけではないというのだ。
そしてだ。幸村はその義について具体的に話しはじめた。
「仁義に信義、孝義とじゃ」
「つまりあらゆることか」
「左様、義とは即ち心」
幸村の心が澄んできた。尚更。
「それがあるからこそじ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ