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ハッピークローバー
第百二十七話 お金の価値その八

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「お金がなくて」
「それが問題だったのね」
「どうもそのこともあって」
 貨幣がない、即ち経済と財政に問題を抱えていてというのだ。
「あの国は統一遅れたみたいよ」
「そうだったのね」
「勿論後の二国も守り固かったけれど」 
 呉と蜀である、この二国はそれぞれの地の利を活かして魏の侵攻を長い間食い止めていたのである。
「お金のことでもね」
「問題があって統一が遅れたの」
「そんなことうちのクラスで男子がお話してたわ」
「成程ね」
「あとね」
 さらにだ、カンボジアの娘は富美子に話した。
「五胡十六国時代はもっとね」
「三国志の頃よりずっと酷い時代だったのよね」
「三国志の頃は遥かにましで」 
 その戦乱の酷さ、流れた血の量がだ。
「お金のこともね」
「滅茶苦茶だったのね」
「それで皆苦しんでいたのよ」 
 特に黄河流域を中心とした中国北方ではだ、その五胡と呼ばれた異民族が侵入し次々と国を興しては滅んでいったのだ。
「あの頃は」
「三国時代よりも」
「そう、お金はね」
 これはというのだ。
「三国志とかを見てもね」
「価値がないと大変ね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「お金がないとか言えるのはね」
「まだ幸せね」
「幾らあってもね」
「価値がないと」
「もう地獄だから」
「今お話してくれたみたいに」
「リアカーに山みたいに積んでね」
 金をというのだ。
「卵一個とかね」
「それ確かドイツよね」
「世界恐慌の時のね、ハイパーインフレで」
 何と一兆四千億倍ものインフレであった。
「そうなって」
「経済が滅茶苦茶になって」
 そうしてというのだ。
「最後ナチスが出たでしょ」
「それで経済収まったのよね」
「ええ、ただ戦争やって」
「第二次世界大戦になったから」
「最悪の事態になったわよ」
「お金の価値がなくなって」
「そうにもなったから」
 だからだというのだ。
「本当にね」
「お金の価値があるだけでも幸せね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「よく覚えておいてね」
「わかったわ」
 富美子は頷いて応えた、そうしてその話の後で自分のクラスの場所に戻ってかな恵達にお金の話をしたが。
 かな恵はまさにという顔でだ、富美子に話した。
「実際あの頃のドイツとか今のジンバブエってね」
「大変な状況で」
「もう終わりだってね」
 その様にというのだ。
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