暁 〜小説投稿サイト〜
私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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その後、連絡は取っていたものの、誉さんと会うということは無かった。お盆も、お父さんの実家。舞鶴という所から車でまだ30分位走った寂しい漁村なのだ。おばあさんが独り暮らしで、付近の漁師が捕ってきた魚なんかを開いて、干物にして細々と暮らしていると言う。お爺さんのお墓参りに行くからというから、一緒に来なさいと言われて、バタバタしていたということもあったから。
でも、夏休みも終わりに近づいた頃、誉さんから連絡があって、図書館で会おうと、今度は二人っきりなのだ。レモンイェローのフレァスカートに小さな花を散りばめたパステルグリーンのブラウス。会うなり、可愛いねと褒めてくれた。そーいうところは嬉しいよね、やっぱり。
その日のお昼は、誉さんもサンドイッチとかを買って、私に合わせてくれていたんだろうか。図書館で席に戻る時には、私の背中に軽く手でエスコートしてくれているつもりなのだろうけど、私は、そんなの嫌とも言えず、構うことは無かった。
手前のテーブルには、前に私を呼び止めて嫌味を言っていた人のグループが居るのを見て・・・その中に あの人だ! 真っ黒に陽焼けして、髪の毛も坊主に近くまで短くしていて、みんなと話している様子。「合宿で たっぷり絞られたよー」とか笑っている歯が白くて印象的だった。
私は、ドキッとして、一瞬 眼が合ったように思えたが、咄嗟に逸らしてしまった。私の背中の誉さんの手が余計に触れてきているような気がしていた。
席に着いてからも、妙に誉さんが肩を触れ合うようにしてきて なんでー こんな時に・・・。私は、どうしてー ここに どうしてこんな時に居るの! と 勉強しているふりだけで、頭には全然入って無かった。そんな私達の様子を見ていたのか しばらくすると、あの人の姿は見えなくなっていたのだ。
帰る時に、歩きながら、誉さんは私と手を繋ごうとしてくるのだけど、私はそれとなく離していたのだ。そんなのは、いかにも彼、彼女といった風だから・・・私は、そんなのに慣れていないということもあるし そんな風に見られるのも恥ずかしくって 嫌だった。お付き合いしているとは言え、私の中では、まだ、彼彼女といった間柄になっている感覚とは思っていなかったのだ。
電車の中でも、家に寄って行かないかと言われたけど、断って、彼は降りて行った。そして、駅の改札を出た時、あの人の姿が・・・
私は、知らんふりをして澄ました顔で 通り過ぎようとした時、腕を掴まれて
「なんで 素通りするん? 彼と付き合ってるんか?」
「そんなん あんたと付きおうてるんかぁー? 関係ないやん ウチの勝手やろー」
私は、とんでもないことを言ってしまった。その時、あの人は私の腕を放して・・・。逃げるように、走ってきてしまった。訳もなく、涙
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