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禁断の名前
第四章

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「頼むから他の人にしてくれよ」
「じゃあ明日から別の人にするな」
「そうするな」
 二人もそれならと応えた。
「じゃあ日本のアイドルにするか」
「アドリアンの好きな」
「そっちで頼むな」 
 チヨもそれならと応えた。
「本当に」
「そういうことでな、ただな」
 ここで友人の一人がチヨにいぶかしむ顔で言った。
「これ本当の話か?」
「何百人も殺したっていうことか?」
「鉄の処女とか使ってな」
 そうしてというのだ。
「血の風呂に入ったとかな」
「幾ら当時階級社会でな」 
 もう一人も言ってきた。
「貴族が絶対でもな」
「何百人も殺せるか?」
「しかも罪のないな」
「異端審問でもここまでしないよな」
「理由もなく殺すとかな」
「こんな話ちょっとあったらな」
 それならというのだ。
「政敵が飛びつくだろ」
「実際調べたらこの人ハプスブルク家と仲悪かったんだって?」
「当時滅茶苦茶力のあった」
 欧州随一の権勢を誇っていた、婚姻政策によりそうなっていたことは歴史に書かれている通りである。
「そうなっていてな」
「何百人もとかその前に攻撃されるだろ」
「噂があっただけで動くだろ」
「というかこんなキチガイいるのかよ」
「無茶苦茶じゃねえか」
「何百人も惨殺して血の風呂に入るとか」
「色々拷問して殺すとかな」
 流石にというのだ。
「シリアルキラーでもないだろ」
「そうはないだろ」
「フランスにも似た様のいたけどな」
「ジル=ド=レイだったか?」
 この人物のことも話すのだった。
「美少年を何百人も殺した」
「バラバラにして生首にキスしたっていう」
「そんな奴いるらしいけれどな」
「そっちも本当か?」
「有り得ないだろ」
「普通に政敵に突かれるしキチガイ過ぎるだろ」
「いや、私達は信じてる人多いから」 
 チヨはいぶかしむ彼等に冷静に返した。
「ハンガリーだとね」
「まさかお前もか」
「この話信じてるのかよ」
「流石に有り得ない話だろ」
「幾ら何でもな」
「子供の頃信じてたんだよ」
 こう友人達に答えた。
「今は流石にだけれど」
「あれか?子供の頃話を聞いてトラウマになって」
「今も怖いっていうのか」
「要するにそういうことか?」
「今も怖いのか」
「そうだよ、こんな話聞いたらな」 
 子供の頃にというのだ。
「誰だって怖いだろ」
「まあそれはな」
「滅茶苦茶怖いよな」
「俺達も調べてドン引きしたしな」
「人間かってな」
「それで捕まったけれどな」 
 そうしたのがハプスブルク家に他ならない。
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