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帝国兵となってしまった。
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 先月の気楽はどこへやら、今は何故かイスパニアのガスコ地方より西側のもはやポルトガル的な場所に居るし、支援軍でやってきた司令はサディストなのかやばいやつなのか、実質的な司令官の帝国人のシェルヒャー少将(本来は大佐らしい)と参謀長のモーゼル准将(本来は大佐)は徹底的な、そう徹底的なまでに戦線の拡大と爆撃と機銃掃射が織りなす火の雨を使っている。

 補給を担当するカステル大佐(本来は中佐)は圧倒的な事務能力で32万にも膨れ上がった派兵軍と現地人義勇兵のカルタ部隊(カルターニャ人6万人からなる志願兵と民兵と捕虜の中の志願者からなる隊)とガスコ部隊(ガスコ人独立派からなる4万人の部隊、殆どが山岳兵と言っても過言じゃない兵士たち。)で、何より帝国はガスコの独立とカルターニャの独立を認める算段だったようだ。

 そもそも、そうじゃなければ旨味は少ない。つまりはこうだ。帝国はイルドアの動向なども加味して、ガスコとカルターニャを独立させて緩衝地帯にして、イルドアとイスパニアをパイ切りするわけだ。結論としてはそうだと思われるがその結果、無茶な戦線を任されている。

 「敵はそれにしてもなかなかだな。」
 地図を見るとポートシティから首都までの鉄道のみに防御を行い、援共ラインと呼ばれるものを維持している。中にはルーシー製の戦車まであると言われるほど援助は多種多様で、国際ボランティア旅団という多国籍義勇兵部隊があったりと驚きだ。

 逆に反乱軍側は首都を抑えようと北上しているが問題はイスパニア共同体が自分を守るために教会や孤児院、学校、病院等や町中に軍事基地を作ってるため、反乱軍はなかなか歩みが遅い。
 
 共同体は徹底的な民主主義の抗戦を訴えているがそもそも反共同体勢力が多く、共同体が勝てたのも前任の大統領兼将軍が疑惑のガスコ人に暗殺されたという建前で、議会を制圧した共同体活動家が即座に選挙を行い、選挙による民主化とか言っていたのが現状で誰も信用はしてない。

 彼らも党兵団による民兵部隊を主力としてるため、国軍とも対立しており、それが軍部の不信を加速させて、軍部を信用できないと共同体が幹部たちを更迭したとされるが、ここに連合王国が関わってるなら別となる。

 つまり、連合王国こそがこの混乱を作り出したのではなかろうか?民兵組織の武器の出処も謎だ。ならば、そうなっててもおかしくはない。

 「この戦い、このままだと連合王国が仲介して旨味を奪ってくな。反乱軍やイルドアと協力しないとこちらは半包囲される。包囲しているということはそれだけ背後の距離も長いということだ。つまり、チェックメイト。」
 俺は目の前のチェスを動かし、オルトーを降すと周りの参戦武官たちが広げる三面の将棋盤にも次々に指示を出し、勝った。

 「なんで、目隠ししながらチェ
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