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ファーストキスの味
第一章

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               ファーストキスの味
 付き合って三ヶ月経ってだった、新田光髪の毛を金髪にして長く伸ばし切れ長で長い睫毛を持つ目が印象的な整った細面にすらりとした一六〇位の背の彼女は友人の佐伯愛花黒髪をショートヘアにし太い眉が印象的な細い整った顔立ちで一六七位の背のスタイルのいい彼女に尋ねた。二人共高校生で青いセーターと白いブラウスそれにグレーのミニスカートという恰好である。今はブレザーはそれぞれの席に置いている。ブレザーの色は青である。
「翔と付き合って三ヶ月だし」
「手は繋いだかしら」
「一ヶ月前にね」
「じゃあそろそろ次の段階にレベルアップ」
 愛花は静かに言った。
「ゴーゴー」
「行けっていうのね」
「イエスオフコース」 
 抑揚のない口調であった。
「そろそろ」
「そうすべきね」
「そして聞かせて欲しい」
 愛花は光に言った。
「キスはどんな味だったか」
「ああ、よくどんな味かっていうわね」
「キスは」
「ファーストキスだけれど」
「そのファーストキスはどんな味か」
 それをというのだ。
「教えて欲しい。何でも親戚の遊び人の兄ちゃんが言うには」
「どんな味なの?」
「煙草の味」 
 この味だというのだ。
「兄ちゃん煙草吸う人と付き合ってばかりだから」
「それでなの」
「そう、だから翔君が煙草吸ってたら」
「煙草の味ね」
「そうなる」
「風情ないわね、けれどお互い高校生だし」 
 煙草を吸う年齢でないのでというのだ。
「二人共煙草吸わないから」
「煙草の味はしない」
「そうでしょ、けれど本当に付き合って三ヶ月だし」
 それだけの歳月が経ったからというのだ。
「もうそろそろ勇気を出して」
「キスをするのね」
「そうするわ」
「レッツゴー」
 愛花はこう光に告げて応援した、その応援を受けてだった。
 光は学校帰り彼氏の筑波翔一七四程の引き締まった体格で細面に太い眉ときりっとした目に鳥の巣の様な黒髪の彼とデート中にだった。
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