第一章
[2]次話
身元不明の犬達
カルフォルニア州オレンジ郡で暮らしている農家のビル＝フリント白髪の初老の白人男性で目の黒い彼は愛犬の雌のシェパードミックスのステラの散歩から帰って来てだ。
一匹の狼が家の敷地内にいると見て即座に身構えて妻のジャイロブロンドを長く伸ばした青い目の美人の彼女を呼んだが。
「狼じゃないわ」
「そういえば」
夫も言われて頷いた。
「少し違うね」
「シベリアンハスキーよ」
「そうだね」
よく見ればそうだった、家の鶏小屋の前にいるのはその種類の犬だった。
「ハスキーだね」
「首輪ないしね」
「捨て犬かな」
「保護してね」
「ちょっと獣医さんに見せようか」
「クゥン」
ハスキーは大人しかった、そして獣医に診せると獣医は夫婦に話した。
「雄なのに去勢もしていなくて」
「マイクロチップも入れていない」
「そんな状況ですか」
「この辺り犬を捨てに来る人がいる様で」
二人に苦い顔のまま話した。
「多分この子も」
「捨てられたんですか」
「誰かに」
「おそらく」
「それなら」
「私達が」
夫婦はそれならと頷いてだった。
そのハスキーを自分達の家族に迎えることにした、そしてだった。
去勢してマイクロチップも入れてだった。
バルトと名付けて家族に迎えた、するとだった。
「ワンワン」
「ワン」
「大人しくて優しくてな」
「すぐにステラと仲良くなってね」
夫婦は家の庭で楽しく遊ぶバルトとステラを見つつ話した。
「私達にも懐いて」
「とてもいい子達だね」
「過去に何があったかわからないけれど」
「これからは幸せにいられる様にしましょう」
「僕達でね」
「そうしていきましょう」
夫婦で笑顔で話して彼等を散歩に連れて行った、バルトはその時もとても幸せそうで尻尾をぱたぱたと振っていた。
その話を聞いてだ、ロサンゼルスで暮らしているジェイリーン＝オコナーこの街で実家で暮らしつつ働いているブロンドのセミロングの髪に緑の目の彫のある顔立ちの長身の彼女は農家をしている両親に家で話していた。
「同じ様なお話ね」
「同じカルフォルニア州でな」
「あるのね」
「ええ、思えばね」
白い雌のプードルミックス、若い茶色の雌の大型犬と仲良く寄り添い合いながら寝ている彼女を見て話した。
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