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和楽器バンドは異端か
第三章

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 二人は懲りずに酔って裸になり酔い過ぎて脱糞したがその時もネットで撮られて終わった。家族には逃げられ店には天文学的な賠償金を請求され借金に追われ内臓まで売って金を返すまでになり仕事もなくなった。
 それに対して千秋楽の面々はというと。
「よし、いよいよだな」
「甲子園で始球式だな」
「その時だな」
「これも仕事だな」
「音楽じゃないけれどな」
 五人で甲子園球場の中で話していた。
「始球式は伝統だからな」
「日本の野球の」
「大隈重信さんからはじまった」
「しかも甲子園だ」
「日本伝統の球場だよ」
 甲子園のことも話した。
「高校野球もやってるし」
「阪神の本拠地だ」
「こんな球場で始球式なんてな」
「光栄だよ」
「光栄の極みだよ」
「ああ、だからな」
 稲田は仲間達に言った。
「気合い入れていくぞ」
「ああ、ライブの時みたいにな」
「つべの動画撮影の時もそうだしな」
「それじゃあな」
「全力で始球式やろうな」
「だから着物も新調だ」
 ステージ衣装だった、それは。五人共アレンジされた着物であり派手な色合いでアクセサリーも多い。
「金もかけてるしな」
「ああ、この着物で出ような」
「楽器はないけれどな」
「楽器は後だ」
「国歌斉唱の時だ」
「君が代も歌うぞ」
 国家もとだ、稲田は言った。
「和楽器で演奏してな」
「俺達の楽器でな」
「そして歌おうな」
「五人全員でな」
「やっていこうな」
 仲間達も頷いた、そうしてだった。
 始球式で投げて国家を演奏付きで歌った、その彼等を甲子園の観衆は拍手で迎えた。試合は阪神が巨人を十八対零で破った。五人はその試合結果にも喜んだ。


和楽器バンドは異端か   完


                    2024・4・22
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