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給食のデザート
第一章

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               給食のデザート
 音無賢章の家は元々大地主であった、その広い土地にマンションやアパートを幾つも建てていて貸してもいる。
 その為県内でも有名な資産家だが彼にはいつも楽しみがあった。
「今日の給食何かな」
「また給食?」 
 クラスの中で今日の給食を確認している彼、眼鏡をかけてマッシュルームカットで明るいお顔立ちで普通の背の彼に赤いおかっぱの髪で青い目の両親がオランダ人でこちらに移住してきて農家をしているハンナ=オレンジが尋ねた。
「音無君給食好きよね」
「大好きだよ」 
 音無はオレンジに笑顔で答えた。
「もう何の為に生きているか」
「給食の為?」
「第一はね」
「じゃあ第二は?」
「ワンピース」
 この漫画だというのだ。
「第三は阪神だよ」
「第三自分で行ったわね、私ヤクルトファンだけれど」
「巨人嫌いかな」
「死ぬ程嫌いよ」
「僕もだよ、今年も最下位でね」
「三十年連続達成して欲しいわね」
「そうだね、それで今日の給食はハンバーグとホワイトシチューで」
 そしてパンである。
「デザートはワインゼリー、最高だよ」
「この前のプリンにも言ってたよ」
 オレンジはこのことを話した。
「ヨーグルトの時も」
「給食好きで最後のデザートが特にね」
「好きなの」
「大好きだよ、給食の中でもね」
「けれど音無君のお家ってお金持ちで」
 オレンジはそれでと言った。
「お菓子好きなだけ食べられるでしょ」
「おやつだね」
「うん、そうでしょ」
「おやついつもあるよ」 
 音無も否定しなかった。
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