暁 〜小説投稿サイト〜
とある銀河の物語
004 試験終了
[1/16]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
初めてのミッションで、卒業試験で、なんかえらい事になってしまったなぁ。
二人を助けたことは、やはり命令違反かなぁ?
十体や二十体どころじゃないぞ、残ったアンドロイドは。
たった七発の残弾でどうこう出来る状態じゃ、ないよなぁ。
ああ、のどが渇いた。
空腹よりも、渇きのほうがきついんだな。
死んでもいいから、水をたらふく飲ませてくれんかな?アンドロイドは水筒なんか、持ち歩かないか。

・・・・・まてよ。

今の俺はほとんど電気的には見えないんだよな?
だったら、この木の陰に隠れてじっとして、やつらが通り過ぎるのを待てば助かるんじゃないか?
いや、今のうちに木に登ってしまって、視覚的にも見えなくなってしまえば絶対に助かる。
そうだ、まだ死なないで、すむ。
死なないで・・・
「ちっくしょう!!!」
隠れていた木から転がり出て、続けさまに三発撃ち放した。ええい、もう一発。
あたるわけが無い。まったくの無駄弾だ。
しかし、存在を暴露した俺は、とりあえずやつらの標的となるだろう。
自分が信じられない。
おれは、こんなに弱かったのか。
こんなに脆い男だったのか。
半日前には、あんなに張り切っていたのに。
あの親子を助けて、最後まで守ってみせると、決めたのではなかったのか。
あの少女の、俺を見つめる目が思い浮かぶ。
抱きつかれた時の、温かい感触が蘇ってくる。
娘を見つめる、ミスターの優しげな表情。
俺は、自分の命と引き換えに、あの二人を捨てようとしたのか。
ただの"使い捨て要員"の俺が・・・
そんなこと、あってはならないよな。
ある、はずが、ない。
「あるはずが、ない!!」
走り出していた。
既にずいぶん近づいてきていた。好都合だ。
動く、まだ身体は充分に動く。
アンドロイドの頭を蹴り飛ばし、銃を奪う。
遠くを狙って撃った。なるべく広い範囲のアンドロイドの気を引きたい。数発でエネルギーが切れた。アンドロイド本体からエネルギーを取っていたのだろう。
そのまま棍棒代わりに振り回す。素手で殴るよりはマシだ。
動き、バイザーを突き割り、移動する。倒したアンドロイドの銃を拾っては発砲し、棍棒にする。
いつに間にか簡易マスクが脱げていた。
奴らの目に見えるようになってしまった。
ふん。
狙ってみるがいいさ。
俺は速いぜ。
お前ら旧式操り人形じゃあ捕まえられるもんか。
ほら、次はお前だ・・・

地平線辺りの空がボゥと明るくなった。
おいおい、日が登る時間じゃないだろ?
大きくはないが、重い音も響いてくる。
突然、森の奥から青白い閃光が二つ、ほとばしってきた。
アンドロイドが二体打ち倒された。銃撃だ。援護なのか?
銃撃は止まず、圧倒的な圧力を感じさせた。アンドロイドが後退していく。
弱い
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ