暁 〜小説投稿サイト〜
私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
第1章
1-1
[1/2]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
その夜も彼のことが頭から離れなかった。どうしてなのかわからないけど、気になっていたのだ。それに、彼も私のことを見ていたのかしらとも
「
真織
(
まおり
)
なに ぼぉーとしてるの」って幼馴染の
佳波
(
かなみ
)
に言われるまで、自分では無かったようだった。確か、あの時だけ、別の世界に居るようだった。私と彼だけの世界に・・・。何故か、ず〜ぅっと昔・・・
私は、今、3年生で、ずうっとあの電車で通っていたのだけど、今まで会うことが無かったのは、同じ中学ではないのか。学校内でも見たことが無い。そうだ、たぶん、彼は、中学からあの私立に行っていたのだ。でも、この辺りに住んでいるのなら、小学校は同じはずなんだけど・・・。そうだ! 最近越してきたのかなー。だけど、以前から知っていたような感覚は何なんだろう。
私は、もう一度 会いたいと思うようになっていて、一緒に学校に行っている佳波に理由をつけて断わって、1本早い電車にしたけど逢えなかったのだ。そうすると、次第にあの人のことを考えているのが多くなっていた。第一、名前も・・・多分高校生だと思うんだけど、何年なんだろうかとか。家はどこなんだろうとか。
私は、日曜日でも、我が家の秋田犬の雑種だという カイ を連れて、散歩がてら近所をうろうろとしていた。カイは運動不足なのか、長い時間歩いているとくたばってしまって、直ぐにへたり込んでしまう。それでも、私には好都合なのだ。しばらく、その場で見張ることが出来るからだ。でも、そんなに偶然に会えるわけも無かった。
私の家は集落の端っこにあって、お母さんの実家の古い家でおじいさんが亡くなって、おばあさん一人になるのでと、私が小学校になる時、京都から一家で越してきたのだ。そのおばあさんも、私が3年生の時にもう亡くなっていた。私には、高校2年の姉ちゃんが居て、やはり、電車で6駅乗るので、私より早い電車で行くのだ。テニス部に入っているので、帰りも遅い。お父さんも勤め先が京都で、朝早いし帰りも遅くて、たまに泊って来る。忙しいと言っているが、私は、どうも怪しいと思っているのだ。
この辺りはお年寄りが多くて、若い人が少ないので、お母さんは、結婚が早くて、やっと35になったばっかりなので、この地域の世話役を幾つも押し付けられているのだ。仕事はしていなくて、季節的に近くにバイトに行くだけなので、だから、カイをもっと散歩に連れて行ってよーって私は頼むのだが、カイは身体が大きいから疲れるので、嫌よーと理由をつけられる。
そんな訳で、この地域には、子供が少なくて、ウチの集落には、中学生は私ともう一人の佳波ちゃんだけで、小学生も3人。高校生は、姉ちゃんと同じ学校に通う3年生の男の子だけなのだ。そして、駅の反対側の集落もそんな調子なのだ。だから、私は、子供の顔は大概知
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ