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私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
プロローグ

[2]次話
 6月の細かい雨が続いている日だった。私は中学の3年生なので補習があって少し遅くなった学校の帰りでホームに降り立った時、改札に向かう階段のところで、こっちのほうを見ている彼に出会った。私と眼が合っているはずなのだ。その日は、外は、もやっていて、その中に彼が立って居るように見えていた。それまでも、見たことがあるはずなのに・・・違う! 私はその時、改めて彼を認識するような感覚だったはず。だけど、懐かしい感じがする。しばらく見返していたと思う。彼は、私をみつめているのかどうかわからない。でも、確かに眼が合っているのだ。

 有名私立高校の制服。私の中学がある駅よりも、もっと先に行くのだ。だから、朝なんかは会うことがなかったのだろう。でも、今日は何かの拍子で帰りが同じになったのだろう。この辺りに住んでいるのなら、同じ中学に通っていたはずなんだけども、それまでは、意識してなかったのか、初めて逢ったような・・・でも、不思議なことに、ずぅ〜っと以前から知っていたような感覚に引き込まれていたのだ。その時 耳からというより頭の中に (やっと 出会えたのね) と言う声が遠くから聞こえてきていた。誰?

 その日から、彼の姿が私の瞼に焼き付いてしまったのだ。やっと 出会えたと・・・思い込んでしまった。
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