暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十六部第二章 教育改革その四十五

[8]前話 [2]次話
「それはしないさ」
「そうなんだな」
「けれど思ってもいいよな」
「願ってもな」
 友人もそれはよしとした。
「早く死ねって思う位はな」
「だからな」
「思うんだな」
「失脚してくれてもいいけれどな」 
 こちらもいいというのだ。
「それでもな」
「失脚か」
「死んでくれなくても失脚したら一緒だからな」
 それでというのだ。
「落選してもな」
「それでもいいか」
「ああ、スキャンダルなりが出て」
 そうしてというのだ。
「失脚してもな」
「それな」
 友人は淡々とした口調で述べた。
「幾らスキャンダルがあっても失脚しない政治家いるだろ」
「しぶとい奴いるよな」
「中にはちょっとした話で落ちる人もいれば」
「どれだけスキャンダルが起こっても失脚しない人いるな」
「そうした人はな」
 それこそというのだ。
「もうな」
「中々な」
「そうだろ、あいつもな」
「そんな口か?」
「というかそんな話ないだろ」
 友人は目を顰めさせて言った。
「聞かないだろ」
「そういえば全然ないな」
「ヒトラー並にないだろ」
「ヒトラーもなかったな、スキャンダル」
「ヒトラーは個人的な欲はなかったからな」 
 国家元首になってから総統は納税の義務がないと言って蓄財はしたがそれを自分の為には使わなかった、どうも政治資金だと割り切っていたらしい。そして親族についてはヒトラーは身内の重用は一切しない男だった。
「服も質素で自分の部屋もな」
「質素だったんだよな」
「食事も質素でな」
「女の人にもだったな」
「趣味は読書と音楽鑑賞でな」
「そんな奴でだったな」
「スキャンダルとは無縁だったんだよ」
 そうした男だったというのだ。
「流石にロベスピエール位じゃなかったけれどな」
「あのフランス革命のか」
「あの独裁者はもっと凄かったけれどな」
 決して腐敗しない男、それがロベスピエールの仇名だった。
「けれどヒトラーもな」
「スキャンダルの話がなくてか」
「あいつもな」
 友人はギルフォードに話を戻した。
「政治資金は全部自分の家の財産だしな」
「大金持ちなんだな」
「侯爵様でな」
「しかも事業もやってたな」
「家がな、そんなご身分だからな」
 友人は貴族への皮肉と悪意を込めて言った。
「だからな」
「金には困ってないんだな」
「政治資金も何とでもなるレベルでな」
「だから金のことはか」
「一切気にする必要なくてな」
 それでというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ