第三百四十四話 奇策破りその八
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「あたしもです」
「わかっててやな」
「出してます」
妖術で多くの獣やモンスター達をというのだ。
「そうしてます」
「そやな」
「しかしです」
「どんどん出せばな」
「足止め、時間稼ぎにはなりますね」
「ああ、その通りや」
トウェインもそうだと答えた。
「ほんまな」
「それをします」
「そして軍を指揮するわいを足止めするな」
「敵の最大戦力も」
トウェインがそうであることは言うまでもない。
「そうさせてもらいます」
「そやな、ほなな」
「ここはですね」
「自分のその時間稼ぎをな」
今からせんとしているそれをとだ、トウェインは楽しそうに笑って告げた。
「破ってみせるわ」
「破るか破られるか」
「勝負や」
こう告げてだった。
トウェインはサンダーバードに無数の落雷を放たたせその全体攻撃でデリーロの妖術で出て来る獣やモンスター達を倒し自身もだった。
戦いデリーロを攻めた、だが彼も守りに徹し。
劣勢ながらも持ち堪える、星の者同士の戦はそうした状況になったが。
暫く経ってだ、トウェインはデリーロの後ろを見て言った。
「動きが速いな」
「こちらも事情がありますさかい」
デリーロは不敵に笑って応えた。
「急いでもらってます」
「そういうことやな」
「ここは通さへんです」
見れば対空の準備も進めている、高射砲や対空砲が車両で以て来られて大急ぎで配置されている。デリーロの後ろでそうなっている。
「絶対に」
「押し返すか」
「そうさせてもらいます」
「成程な、流石やな」
「褒めてくれます?」
「率直にな、しかしな」
それでもという口調で言うのだった。
「わいとしてもな」
「勝つ、ですね」
「そうしたいさかいな」
「まだ戦われますね」
「これ位では諦めへんわ」
「そうですね」
デリーロもそこはわかっているので素直に頷いた。
「それで今もですね」
「戦うわ、確かに自分はよおやってる」
その健闘を讃えもした。
「しかし自分は一人や」
「星の人として」
「ここではな、わいも同じやが」
即ち一対一の戦となっているというのだ。
「厳密に言うとわいはな」
「!?まさか」
「そのまさかや、わいには頼れる相棒がおる」
ここでだ、トウェインは。
サンダーバードに目をやった、そのうえで彼に告げた。
「ここは頼めるか」
「はい」
サンダーバードは確かな声で答えた。
「デリーロ様のお相手をですね」
「ああ、そしてわいはな」
「お一人で動かれますね」
「そうするわ、暫く頼むで」
「それでは。デリーロ様お相手致します」
サンダーバードは自身の主の言葉に頷いてからデリーロに顔を向けて言った。
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