第三章
[8]前話
「何かあってもな」
「やってくれますね」
「絶対にな」
「そうですね」
ロジャーは中佐の言葉に頷いた、そして彼等の司令官である少将が帰ると自分達もそうした。そして軍務に戻ったのだった。
それから十年以上の歳月が経ってから日本で恐ろしい地震が起こった、だが自衛隊は出動して多くの人を助けた。
その話をこの時はアメリカに戻っていて少佐になっていたロジャーは聞いてこう部下に言った。
「それも当然だな」
「自衛隊の活躍は」
「ああ、連中ならあれ位はやってくれる」
部下に微笑んで話した。
「間違いなくな」
「そんなに出来る組織ですか」
「そうさ、最新鋭の兵器も古いのもとことん使うんだ」
しっかりと整備して奇麗にしてというのだ。
「それで訓練もちゃんとしている」
「そうした組織だからですか」
「ああした時もな」
大地震が起こった時もというのだ。
「やってくれるってな」
「思われていましたか」
「ああ、自衛隊は凄い組織だ」
確かな声で言った。
「これからもちゃんとな」
「やっていきますか」
「間違いなくな」
こう言って自衛隊を讃え震災で亡くなった人達の冥福を祈りもした、そのうえで彼の仕事をしていった。
そしてロックウェル中佐今は准将である彼と久し振りに会って話すと彼も言った。
「あれ位はな」
「自衛隊ならですね」
「やってくれるさ、日本に自衛隊があってな」
それでというのだ。
「本当によかった、お陰でな」
「多くの人が助かりましたね」
「あれだけの犠牲者が出てもな」
それでもというのだ。
「大勢の人も助かった」
「自衛隊のお陰で」
「あそこまでの組織だからな」
「そうですね、日本はこれからも自衛隊を大事にすべきですね」
「何と言っても軍隊でな」
「自分達の組織で」
「自分達を護ってくれるんだからな」
それ故にというのだ。
「あの立派さをそのままな」
「ハーフトラックをずっと使っている様な」
「その自衛隊をな」
「大事にしていかないといけないですね」
「これからもな」
ロジャーに確かな声で言ってロジャーもその通りと頷いた、今彼等はアメリカにいるがそうしたのだった。
ハーフトラック 完
2023・10・14
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