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神々の塔
第六十三話 過ちを犯した神霊その五
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「この人を嫌いやない」
「自分のことにも関わるしやな」
「ああ、人種差別に関わった人が人種差別をなくす方に動く」
「それもアメリカやな」
「そや」
 まさにと答えた。
「過ちを犯してな」
「その過ちを正し」
「それを行動としてや」
「やるんやな」
「ああ、間違えてもな」
「それを正してか」
「やってくな、それがな」
 実にというのだ。
「アメリカの一面やな」
「日系人の人達にとっては許せへんわね」 
 アレンカールはトウェインに顔を向けて述べた。
「やっぱり」
「綾乃ちゃん達を見てたらわかるな」
「ええ」
 アレンカールは今度は綾乃達を見た、日系人ではなく日本人だが彼等のそのルーツを見て言うのだった。
「三人共あまりええ顔してないわね」
「そうなるのも当然や、リディアちゃんもな」
「ハワイのあの娘もね」
「その日系人やしな」
「あの娘のひいお祖父さん戦争に行ったんだったわね」
「四四二部隊にな」
 そのダニエル=イノウエも所属していた部隊である、日系人で編成されており多大な損害と戦果を挙げている。
「生きて帰って来たけどな」
「全身傷だらけになったのよね」
「そうしたことがあったさかいな」
「日系人の人達から見たらね」
「許せる人やないわ」
「そうよね」
「まして執念深くてな」
 そうした気質でというのだ。
「お前が変わってもお前の罪は消えへんとかな」
「そうした考えの人もいるわね」
「こんなん言うたら復讐鬼やが」
 その域に達しているというのだ。
「そやけどな」
「そうした考えの人もいるわね」
「そんな人から見ればな」
「怨みは消えへんわね」
「当事者やなくてもな」
 例え直接被害を受けておらずともというのだ。
「そうした考えの人はおってな」
「それでよね」
「何処までも攻撃する」
「そんな人からしてもね」
「許せんわ」
 アール=ウォーレン、彼はというのだ。
「日系人や日本人から見たら」
「紛れもなく人種差別をしてきたから」
「徹底的にな」
 それも権力者の立場としてだ、若しその人が権力の座から降りると何の容赦もなく牙を剥く人も存在するものだ。
「そうやさかいな」
「許せへん人もいるわね」
「実際僕嫌いやしな」
 芥川が憮然とした顔で言ってきた。
「あの人は」
「僕もや」
「うちもやで」 
 中里と綾乃も言う、中里は芥川と同じ表情になっていて綾乃は普段の優しい笑顔はなく暗い顔になっている。
「好きになれんわ」
「何で好きになれるねん」
「そやろな、しかしそれと共にや」
 二次大戦の時日系人を迫害してもというのだ。
「多くのアフリカ系の未来をや」
「切り開いたわね」
「そうでもあるんや」
 トウェインはまたアレンカー
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