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星河の覇皇
第八十六部第二章 教育改革その九

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「それは福音かというと」
「それはだ」
「違いますね」
「そもそも自分からこれは福音と言ってだ」
「実際に福音か」
「そうとは限らないですね」
「福音どころかだ」
 上司は顔を顰めさせて述べた。
「詐欺師の言葉ということもだ」
「有り得ますね」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「だからだ」
「新しいといっても」
「内容は吟味することだ、しかし一部の知識人はな」
「それをしないですね」
「そもそも人間の生み出したものに完璧なものがあるか」
 こうも言うのだった。
「人間は不完全な存在だ」
「そのことは否定出来ないですね」
「事実だ、私はムスリムだから言うが」
 それ故の言葉だというのだ。
「この世で完璧なものはだ」
「アッラーですね」
「そうだ、アッラーはのみなのだ」
「それで人間はですね」
「完璧な筈がない」
 到底というのだ。
「そのことはな」
「ないですね」
「それで言う、そしてコーランの言葉にしてもだ」
「まずは、ですね」
「どうかとなって聞いてだ」
「そして信じられましたね」
「最初預言者ムハンマドは命を狙われた」
 これがヒジュラのはじまりだ、ムハンマドは一旦逃れそうしてそこから勢力を築きイスラム教を栄えさせたのだ。
「そうなった、それなりにいきなりだ」
「新しいと言ってですね」
「無批判に受け入れるなぞだ」
「その内容を詳しく吟味せずに」
「それはおかしい、コーランですらそうなのだ」
 無謬であるこの書ですらというのだ。
「それならばだ」
「エウロパの教育制度は」
「あの国と連合は全く違うしな」
 このこともあってというのだ。
「まずはだ」
「その中身をですね」
「詳しく吟味することだ」
「それは私もですね」
「だが君は連合のことはわかっているな」
「だからですか」」
「そしてエウロパのこともな」
 この国のこともというのだ。
「両方わかっていた、それならだ」
「いいのですか」
「すぐに気付いた筈だ」
「あの教育制度はエウロパのもので」
「連合には相応しくない」
「そうしたものだと」
「あれは無理にでもだ」
 国家戦略をこう表現して言うのだった。
「国家に役立つ人材を育てる」
「全てはエウロパの為ですね」
「そうしたものであってだ」
「それで、ですね」
「連合のものではない、連合はその中にいればな」
 この国の中にあればというのだ。
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