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我が剣は愛する者の為に
すれ違う兄妹
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とりあえず、胡蝶から離れようと思った時だった。
後ろからゴソゴソ、と音が聞こえた。
振り返ると、美奈を除く全員が起きていてこちらを見ていた。
主に俺に対して、殺意の籠った視線でだ。
黎に関しては、眼を大きく見開いており、すぐさま自分の服を脱ごうとする。

「変に対抗意識持たなくてもいいから!!」

寸での所で俺は黎が服を脱ぐのを止める。

「それで縁殿。
 貴方は今何をしようとしていたのですか?」

今までにない鋭い眼つきをしながら、星は問いかける。

「何をって。
 俺はただ毛布に潜入してきた、胡蝶から離れようと。」

「その状況からして襲っているように見えないんだけど。」

月火言われて、今の光景を客観的に見る。
うん、俺が馬乗りになっている状態なので、どこからどう見ても俺が悪く見える。
あれ?これって逃げ道なくねぇ?

「やっぱり黎を胡蝶のように襲うつもりだったのね。
 ここで殺しておくべきだわ。」

双戟を構えて優華は言う。
それに続いて星と月火も得物を構える。
これってデジャブ?
どうやら俺はここまでの様だ。
さらば、愛紗。
兄ちゃんは先に逝っているぞ。





「うふふ。」

衣服を着ながら、縁がボコボコにされているを見ながら胡蝶は笑う。

「縁って、色々と不遇だよな。」

隣で朝食の準備をしている豪鬼に話しかける。

「まぁ、胡蝶が加わっていい玩具にされているのは間違いないな。
 上手いように、他の奴も巻き込まれている。」

「狙ってやっているから、巻き込まれてくれないと困るわ。」

「ほんと、胡蝶を怒らしたら駄目だな。」

「一刀殿に深く同意する。」

三人が気が済むまで縁はボコボコにされたのは言うまでもない。






「そろそろ腰を落ち着かせたいと思っているんだ。」

荒野を歩きながら、俺はこれからの事を話す。
俺だけは歩いていないのだが。
朝での騒動だけでは気が済まなかった三人、特に優華はいつ買っておいたのか、鞄から縄を取り出して俺を縛り付けた。
その縄を馬に縛り付けて、俺は地面に引きずられながら話している。

「それってどこかに仕官するってこと?」

少し俺に気にかけながら、一刀は話す。
助けたいと思っているのだが、助ければ俺のように被害を受けるのは確定的に明らか。

「客将として仕えて、実績を積んで、独立を考えている。
 天の御使いとしての知名度は充分にあるからな。」

非常に真面な事を言っているのに、引きずられながら言うと威厳というものが全くない。

「宛てはあるのですか?」

「陳留で刺氏をしている曹操。
 彼女なら俺達を雇ってくれるはずだ。」

「曹操、
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