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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第195話:猛き炎に支えられて
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 アダムが周囲にばら撒いたアルカノイズ。雲霞の如く迫るそれらを、颯人を始めとした魔法使いと奏を始めとした装者、そしてアダムとは完全の袂を分かつたサンジェルマン達錬金術師が相手取る。

「おぉぉぉぉっ!」

 響の拳が一撃でアルカノイズを粉砕する。最早手慣れた作業の如しだが、彼女は油断なく一撃一撃を相手を見据えて叩き込み、周囲を取り囲まれれば地面を殴りつける衝撃で纏めて粉砕した。

「ハァァッ!」

 装者の中でも随一の戦闘経験を持つ翼。彼女は二本の剣を連結させた薙刀に炎を纏わせ、足のブレードをブースターにして地面の上を滑る様に動きながらすれ違いざまに青く燃え盛る刃でアルカノイズを切り裂く。炎と剣技を交えた必殺技『風輪火斬・月煌』は、アルカノイズを焼き払うと同時に切り裂き消滅させた。

「ほっ! はっ! そこッ!」

 装者の中で最も遠距離・広範囲への攻撃を得意とするクリスはアームドギアを拳銃に変形させて小回りの利くガンカタで迫るアルカノイズを本来の彼女の得意とするレンジよりも近い至近距離での戦いで仕留めていく。本来接近戦を不得手とする筈の彼女ではあるが、単調な動きしか出来ないアルカノイズが相手であれば何の問題もない。
 何より彼女には、傍で共に戦ってくれる魔法使いが居る。透のグロウ=メイジが彼女と背中合わせになり、2人でダンスを踊る様に入れ代わり立ち代わり立ち位置を変えながら両手にそれぞれ持つ刃を振るいアルカノイズを彼女に近付けさせない。

 切歌と調、この2人は装者の中でも連携が随一だ。互いを信頼し合う2人は、このパヴァリアを巡る戦いで更に大きく成長した。特に調は、切歌以外とも共に歩む為の一歩を踏み出す勇気を得られた。これからの長い人生、彼女が他者と共に歩む事に勇気を出せるようになった事は大きい。
 その勇気を力に変える様に、彼女は切歌とアームドギアを合体させ、全方位を切り裂くアームドギアでアルカノイズを膾切りにしていった。

 その戦いの最中、切歌は嘆かずにはいられない。これほどまでに続く戦いと言う理不尽に対して。

「どうしてこんなにも、争いは続くのデスかッ!」

 その嘆きに調が一つの答えを示す。

「何時だって争いは、信念と信念のぶつかり合いッ!」

 それは1つの真理でもあるだろう。これまで装者達が対峙してきた敵は、その多くが譲れぬ何かを持っていた。フィーネ然り、ウェル博士然り……そしてキャロル然りだ。誰もが例え利己的であろうとも、そこには譲れぬ想いがあった。
 唯一未だに彼女達が推し量れていないのは、享楽主義者を思わせるワイズマンだけである。

「正義の選択が、争いの原因とでも言うのかよッ!」

 信念と信念のぶつかり合いが戦いの原因であるのなら、心に正義の心を持つことそのものが争い
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