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金木犀の許嫁
第七話 同居のはじまりその八

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「本当に」
「ださくてね」
「恰好悪いですね」
「生地も悪いでしょうし」
「着たくないです」 
 絶対にというのだ。
「あの軍服は」
「まあそう思うわよね」
「思わない方が不思議です」
 北朝鮮人民軍の軍服についてはというのだ、尚この軍服の元はソ連軍の軍服だがこちらの評判は悪くない。
「何処がいいのか」
「そうよね」
「それで軍隊自体も」
「自衛隊と比べると?」
「日本軍と比べましても」
 どちらでもというのだ。
「最悪ですよね」
「あっちの方がね」
「私は自衛隊は好きですし」
 そしてというのだ。
「日本軍も嫌いじゃないですが」
「北朝鮮の軍隊はアウトね」
「行進にしても」
「あの行進変」
「そうよね」
 佐京も夜空もそれはと頷いた。
「膝変に上げて」
「膝悪くしそう」
「そうした行進よね」
「何であんな行進なのかわからない」
「やたらテレビに出るし」
「悪い意味でインパクトがある」
 人間よくも悪くも目立つものは印象に残るものなのだ。
「それで子供が真似するし」
「教育上でもよくないわね」
「自衛隊の行進はいいけれど」
「あそこの行進は駄目ね」
「本当に変な行進」
「何でああなのかしら」
「あれね、ドイツの子が言ってたけど」 
 真昼が言ってきた。
「私のクラスメイトのね」
「何て言ってたんですか」
「そのドイツの人は」
「女の子でチューリンゲン生まれだけれど」 
 ワーグナーの歌劇タンホイザーの舞台ともなった緑の多い地域である。
「東ドイツのね」
「あの統一された」
「共産主義の国ね」
「あの行進元々プロイセン軍のものらしわ」
 こう二人に話した。
「フリードリヒ大王とかビスマルクのね」
「あの戦争強い国ね」
 夜空はプロイセンと聞いてこう言った。
「ナポレオンとも戦った」
「そう、そのプロイセン軍の行進で」
 妹に応えつつ話した。
「アヒル足行進って言って膝をまっすぐにして行進して」
「アヒル足?」
「それで敵を踏み潰して進むって行進で」 
 そうしたものでというのだ。
「本来はあそこまで膝上げないそうよ」
「そうだったの」
「プロイセンから共産圏に入って」
「共産主義はあの行進ね」
「それがおかしくなって」 
 そうなってというのだ。
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