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霧の向こうのハーレム
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っちゃた?俺ってラッキースケベ持ち?
 いやそうじゃないでしょ、俺。まず何するんだ?謝るんだろ。

「えっと、ごめん。」
「いえ、そんな。謝らないでください。わたくしが強く引きすぎたせいですから。」
「アヤメは謝らなくてもいいのよ。すぐに離れなかったこいつが悪いんだから。」
「遼さまはそんな方では・・・。」
「えっと、君誰?」

 おそらく俺を投げたであろう人に問う。見たところ巫女服のようなものを着ているが。

「私?あんたに名乗るような名前なんてないわ。」
「これちゃんと名乗らんか。おぬしもあの場に居たのなら覚悟はあるじゃろ?」
「え、君もいたの?」
「居たわよ。・・・理沙。氷室理沙よ。主人様の巫女やってる。」

 氷室理沙。やはり服装通り巫女だったか。けど巫女装束にしては露出が多すぎる気がするが、結構ムシムシしているしこれくらいがいいのだろうな。

「とりあえず役者はそろったな。主人(ぬしと)様の所に行って参れ。」
「役者?」
「そうじゃ。他の者はすでに自分の仕事に行っておる。残っているのはここの3人だけじゃからな。アヤメ、お参りをしたらすぐに持ち場につくのじゃぞ?」
「はい。」
「うむ。ではな。」

 村長は踵を返して自宅に入って行った。

「さ、参りましょう。」
「仕方ないわね。案内するわ。」
「行こ、遼。」

 右手を鈴音に引かれ、左手をアヤメが引っ張る。理沙は先に行ってしまう。
 左右に違う人の手を握っていると人によって握り心地が全く違うことに気付かされる。鈴音は少し硬いし、アヤメは柔らかくコラーゲンたっぷりな感じだ。こんなに違うものなんだねぇ。いつか理沙の手も握れるかな。

「あそこが主人(ぬしと)神社よ。」

 そうこうしているうちに着いてしまった。
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