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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第89話 王と闘神の息子たち
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side:リィン


 爆発音が町から聞こえた俺達はコリン君を連れてグランセルに戻る、するとそこではとんでもない事が起きていた。


「なんだ、コレは……!?」
「町が攻撃されています!」


 魔獣が町を攻撃している光景が目に映った。しかもその魔獣はグランセル城の地下にあった封印区画に現れた人形兵器によく似ていたんだ。


「あの人形兵器がなぜ町に?」
「まさかあの区画から抜け出してきたのでしょうか?」
「分からないが非常事態なのは間違いない、対処しながらギルドに戻るぞ!」
「はい!」


 俺はコリン君をエマに任せて機械人形達を切りながら先を進んだ。


「皆さん!落ち着いてください!こちらに来れば安全です!」
「エルナンさん!」
「リィンさん!エマさん!戻ってきてくださったのですね!」


 ギルド近くでエルナンさんが市民を避難させているのを見つけた俺達は彼に声をかける。


「エルナンさん、一体何が起きたんですか?」
「爆発音とともに何処からともなくあの機械人形達が現れたのです。そして町が混乱に陥ったと同時に特務隊の姿が確認されました」
「特務隊……あいつらが?」


 かつてこのリベールにてクーデターを起こしたリシャール大佐、その彼が率いていた特務隊の残党が現在も逃亡を続けていたのだが……


「現在エステルさん達が分かれて特務隊や魔獣と応戦しています」
「なら俺達も急いで合流を……」
「おっと、お前の相手は俺達だ」


 そこに頭上から声が聞こえて殺気を感じた俺はエマとコリン君を抱えて後ろに飛んだ。その瞬間上から凄まじい衝撃が走り地面に亀裂が走る。


「ぐうっ……一体何が!?」
「エルナンさん、大丈夫ですか!」
「ええ、なんとか……」


 地面を転がるエルナンさんに声をかけるが彼もギルドの一員、直撃は避けたようだ。


「ははっ、マジでいやがったか。西風の絶剣」
「お前は……」


 砂煙が晴れて俺は現れたその人物に驚愕した。


 赤い長髪に死神を思わせる鋭い視線、身の丈はあるブレードライフルを構えたその人物を俺が知らないわけがない。


「なんでお前がここにいる!ランドルフ・オルランド!」


 俺は目の前にいる人物……赤い星座を率いる『闘神』バルデル・オルランドの血を引く男、ランドルフ・オルランドを睨みながらそう叫んだ。


「はっ、仕事じゃなきゃこんなところに来る訳ねえだろうが」
「仕事だと?お前も俺を殺すように依頼されたのか?」
「なんだ、別の奴に狙われたのか?シャーリィといいモテるな、クラウゼル」
「こっちとしては迷惑だよ」


 俺は武器を構えながら警戒する。目の前にいる男は赤い
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