暁 〜小説投稿サイト〜
妹の学費
第二章

[8]前話
「あっという間になくなるからな」
「そうなるわよね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「本当にな」
「無駄遣いはしないで」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「使っていけよ」
「自分で稼いだお金も」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「使うべき時にな」
「使えばいいわね」
「そうだ」
 妹に笑顔で告げた。
「そうすればいい」
「そうなのね」
「ああ、そのこともな」
「覚えておくことね」
「いいな」
「ええ、それじゃあね」
 妹は兄の言葉に頷いた、そうしてだった。
 それからはこの話をしなかった、そのうえで大学に通い卒業し就職もしてだった。
 結婚をして子供ももうけた、その子供に言うのだった。
「学費は心配しないでね」
「いいの?」
「高校も大学もね」
 そのどちらもというのだ。
「あんたが行きたいならね」
「行っていいのね」
「それで学費はね」
 またこちらの話をした。
「お父さんも出すけれど」
「お母さんも出してくれるの」
「出せるからね」 
 それだけ経済的に余裕があるというのだ。
「だからよ」
「大学も行っていいのね」
「そっちのことは心配しなくていいわ」
 まだ子供の娘に言った、そして兄の息子自分から見て甥にあたる彼と同じ様にだ。
 娘を彼女が安心する様に高校に行かせ大学も行かせた、そして学費を出すのは親なら当然と言って気にしなかった。自分も言われたことなので。


妹の学費   完


                  2024・1・25
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ