第五十二話 祝宴その十二
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「それでね」
「すき焼きの後はだな」
「ケーキをね」
これをというのだ。
「食べましょう」
「だからか」
ここで鏡護は言った。
「お酒はワインだな」
「日本酒だとね」
「甘いものには合わないな」
「特に洋菓子にはね」
「ケーキも洋菓子だからな」
「だからね」
それが為にというのだ。
「ワインにしたの」
「そうだったか」
「私達は赤ワインを飲んでるけれど」
見れば実際に三人はそちらを飲んでいる。
「お父さんはどちらかしらと思っていたけれど」
「白をな」
こちらのワインをというのだ。
「飲みたくなってな」
「いただいてるわね」
「こうしてな」
実際に飲みつつ話した。
「飲んでいる」
「白ワインでもね」
「ケーキに合うな」
「だからね」
それでというのだ。
「ワインにしたの」
「そうなのか」
「ワインでも合うわよね」
小鳥は父に尋ねた。
「すき焼きに」
「美味い」
父は微笑んで一言で答えた。
「実にな」
「そう言ってくれて嬉しいわ」
小鳥はその返事を受けて笑顔になった、そして鍋の中からふと椎茸それに糸蒟蒻を取ってそのうえでまた言った。
「じゃあこれからも」
「ワインもだな」
「すき焼きの時はね」
「用意してくれるか」
「ええ、それにね」
小鳥はさらに話した。
「ワインってどのお料理にも合うのよね」
「そうだな」
神威もそれはと応えた。
「赤と白があってな」
「それぞれ合うお料理はあるけれど」
「それでもワインはな」
「和食やお魚には白でね」
こちらのワインでというのだ。
「肉料理とかパスタは赤で」
「中華にもだな」
「だからね」
「ワインはいいな」
「神事には日本酒を使うけれど」
これは絶対だがというのだ。
「御神酒にね」
「そうだな」
「うち神社だから」
「日本酒は欠かせないな」
「ええ、けれど」
それでもというのだ。
「お家で飲むには」
「ワインもいいな」
「美味しいしね」
味の問題もクリアーされているというのだ。
「だからね」
「そうだな、美味い」
神威も飲んで話した。
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