第二章
[8]前話
「飲みたいわ」
「じゃあジュース飲むわね」
「そうしてね」
「お父さんとお母さんも飲まないからな」
父はイタリアのワインを飲むつもりで話した。
「皆でちゃんと飲もうな」
「そうするね」
「お水が違うっていうなら」
姉妹は素直であった、それでだった。
両親の言うことを聞いて旅行の間出してくれた飲みものを飲んだ、そうしてイタリアの料理と観光を楽しんでだった。
日本を後にした、そして十五年経ってだ。
それぞれ就職して独立していた姉妹はお盆の時に実家に帰って久し振りに顔を会わせたが姉はこう妹に言った。二人共母親そっくりの顔とスタイルになっている。ただ髪型はそれぞれ小学校の時と同じである。
「この前お仕事でイギリスに行ったら」
「どうだったの?」
「噂通り食べものはあれで」
それでというのだ。
「お水もね」
「悪いのね」
「ええ、かなりね」
「そうなのね。私この前有給の時タイ行ったけど」
妹も妹で話した。
「お水はちゃんと沸騰させないと」
「熱消毒で」
「最低でもそうしないとね」
「飲んだら駄目よね」
「いや、海外ではお水はね」
「何かと日本と違うから」
その為にというのだ。
「注意しないとね」
「お腹壊すからね」
「水道水をそのまま飲める国もね」
「日本位だしね」
「ましてやその日本でも生水はね」
「よくないから」
そのまま飲むと、というのだ。
「注意しないとね」
「そうなのよね」
「お水は本当に注意よ」
「迂闊に飲むな」
「特に海外ではね」
「そうしないとね」
大人になってこんな話をした、そして水を飲んだが。
日本の水道水なので何もなかった、それで二人でそのことが本当にいいと心から思って笑顔になるのだった。
海外では水に注意 完
2024・1・20
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ