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内科教授の意外な一面
第二章

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 彼は研究室を後にしたが講義や研究室での温和で豊かな知識を備えている学者としての彼を知っている彼等は言うのだった。
「教授が手術?」
「ピンとこないな」
「急患の人達のとか」
「どうなのかしら」
「先生内科だろ」
「そちらは凄いけれど」
 こう思った、兎角小窪が手術するとは思えなかったが。
 彼はすぐに難しい手術に入り患者を救った、それを聞いて学生達は驚いたがその彼に中年の准教授が話した。
「小窪教授外科も出来るよ」
「えっ、そうなんですか」
「内科だけじゃないんですか」
「それで手術も出来るんですか」
「というか元々外科の人で」
 そうであってというのだ。
「物凄い腕で有名なんだよ」
「そうなんですか」
「教授実は外科も出来て」
「凄い手術の腕を持っておられますか」
「そうなんですね」
「そうだよ、もう最近は若い人が手術やっていて」
 大学病院ではというのだ。
「一線を退いてね」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「大学で講義をされていたんですね」
「教授さんとして」
「そうなんだ、けれど今回は人手が必要で」
 大勢の重傷の患者が運ばれてきてというのだ。
「応援を頼んでね」
「難手術を成功させてですか」
「患者さんを救ったんですね」
「そうなんですね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「そうしてくれたんだ」
「そうですか」
「教授がそうした人だったとは」
「思いませんでした」
「今はどうでも過去はまた別だからね」
 准教授は学生達に笑って話した。
「教授も同じだよ」
「そうなんですね」
「今は内科の教授さんでも」
「かつては凄腕の外科医だったんですね」
「そうだよ、お陰で今回は助かったよ」
 手術を受けた人がとだ、准教授は笑顔で言った。そうしてだった。
 学生達は小窪を内科の教授としてだけでなく凄腕の外科医としても認識する様になった、だが彼は手術また稀に応援に行くことがあったがそれでも温厚な教授でいることが常だった。そして大学で講義をして学生達を導いていったのだった。


内科教授の意外な一面   完


                  2024・1・19
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