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エヴァンゲリオン REAL 最後の女神
使徒大戦


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[chapter:序]

(TV版24話からの分岐です)

「カヲル君……どうしてなんだよ……。ボク達は友達になったんじゃなかったの!?」
 シンジは目の前に突きつけられた銃口という名の死と向かい合い、震えながら、それでもそう訊かずにはいられなかった。
 シンジにとってすがれるべき唯一の絆のはずであったのに。それが砕かれた現実を、シンジは認めることができなかった。
「ボクのことを好きだって……好意に値するって言ってくれたじゃないか。あれは……あれは嘘だったの!?」
「嘘じゃないさ、シンジ君」
 カヲルはいつものアルカイック・スマイルを浮かべたままで。
 しかし銃口はシンジの眉間に照準《ポイント》されて小揺るぎもしない。シンジの言葉は、毛筋ほども彼の心を乱すことはできなかったのか。
「君のことは好きだよ、とても。友達だと言ってくれるのも感謝の極みさ。……でもね」
 カヲルの口に張り付いた笑みが濃くなる。しかし、その眼はちっとも笑っていないことを──いや、これまで一度たりとも笑っていなかったことを遅まきながらシンジは気づかされた。
 何か──何か決定的なものが欠落している、そんな微笑。
「でもね、知ってるだろう。使徒と人間は共存できないのさ。どんなに愛しくてもね。どちらかが淘汰されなくてはならない。同じ場所に存在できない。愛しくても近づけば傷つけずにはいられないヤマアラシのように」
「そんな……」
 シンジは息をのんだ。
「まさか……まさかカヲル君が、使徒だったなんて……!」
「……何を言ってるんだい」
 カヲルはごくさりげなく、無造作に──
「使徒はボクじゃなく、君のほうだろうに」
 ──銃爪《トリガー》を引く。
「!」
 ケージの静寂を揺るがし、U.S.M9からFMJの9ミリ・パラベラム弾が放たれた。けして小さくはないはずの反動を完璧にうち消し、カヲルは装填された全弾を叩き込む。
 350m/sの初速を持つ、銅でくるまれた鉛の弾丸は、中学生男子の肢体など易々と引き裂くだけの力を有しているはずだった。
 だが、その当前のはずの結果は生じなかった。
 ただ、ひしゃげた不格好な硬貨に似た一六発の金属片が、シンジの足下に転がっただけだった。
「……綺麗だよ、シンジ君。君の心のカタチ」
 シンジは無駄な抵抗と知りつつとっさに頭を庇った腕を、恐る恐る解いた。
 目の前に淡く発光する深紅の六角形《ヘキサグラム》。
「……AT……フィールド?」
「人間にATフィールドがはれるかい? もちろんボクにもできはしない」
 ──……少なくとも今はね。とカヲルは口の中だけで小さく呟いて。
「それなのに、なんでキミにはできるんだろうね? シンジくん?」
 カヲルの主張を補強するかのように、タイミングよくインカムに通信
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