第131話『来訪者』
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狐太郎とその両親の仲直りができ、一段落を迎えた。しかし、出し物の仕事を放り出して突発的に教室を出て行ってしまったことを思い出し、晴登と狐太郎の2人は急いで戻っているところだ。
「ねぇねぇ三浦君」
「何?」
「魔術部に入るって成り行きで決めちゃったけどさ、魔術って何なの?」
早歩きで戻る道中、狐太郎は当然の疑問をぶつけた。
晴登は今まで、魔術部をマジック部のようなニュアンスで話していたが、屋上や魔術室での会話を経て、事実は異なるものだと狐太郎も理解できている。
魔術部に入部することも決まった訳だし、信頼できる彼になら話しても良いだろう。
「う〜ん、詳しくは部活の時に説明するけど、とりあえず魔法とか超能力とかそういう類の非現実的な力だよ」
「へぇ〜凄いね。その力が僕にもあるってこと? というか、この耳や尻尾の正体がそれなんでしょ? 全然気づかなかったな〜」
「うん、本当に気づきませんでした……」
「あ、ごめん、別に責めてる訳じゃないよ!」
狐太郎はそう言うが、晴登としては今回の一件は自身の不徳の致すところなので、申し訳ないという気持ちが大きい。初めて出会った時から近くにいたのに、全く気づいてあげられなかった。
そんな罪悪感に苛まれる晴登を見て、狐太郎はすぐさま話題を変える。
「そ、そういえばさっき、僕のこと『狐太郎君』って呼んでたね」
「あ、あれはご両親の前だったから……! もしかして嫌だった?」
「ううん。むしろ……これからもそう呼んで欲しいかなって」
「もちろん! じゃあ俺のことも『晴登』って呼んで!」
「うん、晴登君!」
互いの呼び方を改め、一段と仲が深まった気がした。
……彼には今まで名前呼びするような友達はいたのだろうか。ご両親の話を聞く限り、友達という存在そのものがいなかったのかもしれない。だからこそ、彼は友達という関係に固執するし、名前呼びに人一倍の喜びを見せる。
これからはクラスメイトというだけでなく、魔術部の仲間として彼を助けてあげたい。
「晴登君、ありがとう」
「え? どうしたの急に」
「僕は晴登君にずっと助けられてばっかだなって。学校に行く一歩を踏み出した時も、林間学校の時も、それにさっきだって。僕、晴登君がいなかったら今もずっと引きこもってたと思う」
ほんの半年前だ。あの時晴登が狐太郎と友達になろうとしなければ、今この瞬間は生まれなかった。言わば、晴登の存在が彼の運命を変えたということだ。そう考えると己の図々しさに少し恥ずかしくなってくる。
「晴登君は僕のヒーローだよ」
だが、とびっきりの笑顔で、狐太郎は言った。
ヒーローと言われたのはこれで二度目だろうか。晴
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