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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第三章
俺たちはまた職員室にて説教をくらっている。そしてこれはケース 比企谷。
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〜☆い、命だけはお助けを...。
 俺の願いを聞き入れてくれたのか平塚先生は一度小さくため息をつき比企谷の方に視線を戻した。
「それとこれとは話が別だろう」
「先生!俺の母ちゃんが間違ってるって言うんですか!許さねぇ!これ以上話しても無駄だ!帰らせてもらおうか!」
 そう比企谷が言ったので俺もくるりと(きびす)を返してその場を後にしようとする。
「逆ギレでごまかそうとすんなコラ。...そして桐山。比企谷に乗じて帰ろうとするな」
 ...ちっ、ばれたか。なんでこの人は俺が存在感を全力で消しても俺の存在を忘れないんだ?俺の数少ない特技の一つなのに...。
 ちなみにもうひとつは直視できない内面に潜んだ気持ち悪さ...。ふひっ。...自分で言ってて難だけどふひって、...財津君かよ。
 平塚先生は俺と比企谷の制服の襟元を後ろから引っ張る。子猫を掴みあげるように再び向き直らされた。んー。「てへっ♪いっけなーい☆」と言いながらぺろっと舌を出せばごまかせたのかもしれない。...んなわけあるか。
 平塚先生はため息をつきながら比企谷のものと思われるレポートをぱんっと手の甲で叩く。
「おいしいカレーの作り方、ここまではいい。問題はその後だ。1、玉ねぎを櫛形切(くしがたぎ)りにする。細めにスライスし、下味をつける。薄っぺらい奴ほど人に影響されやすいのと同様、薄く切ったほうが味がよく染みる...。誰が皮肉を混ぜろと言った。牛肉を混ぜろ」
「先生、うまいこと言ったみたいな顔をするのはやめてください...見てるこっちが恥ずかしいです...」
「確かに...。結構痛いですよ、先生」
 ホント痛い。なんなの財津君とお友達なの?
「私だってこんなもの読みたくない。言うまでもなくわかっていると思うが再提出だ」
 先生は心底呆(あき)れ返った様子で口にタバコを運んだ。
「君は料理できるのか?」
 レポ―ト用紙をひらりとめくりながら平塚先生が意外そうな表情で比企谷に尋ねた。
 そう、俺の認識では比企谷はかなり料理得意なイメ―ジがある。まぁ、そういう話を比企谷から聞いただけだから実際はどうなのかは知らん。たぶんカレ―ぐらいは楽勝に作れるのだろう。...ん?普通に俺でも作れるぞ。
「ええ。将来のことを考えればできて当然です」
「一人暮らしでもしたい年ごろか?」
「いや、そういうわけじゃないです」
「ふうん?」
 じゃあなんで料理を?という感じで平塚先生は呟く。...ちなみに俺はその事について知ってる。だって聞いたし。
 でもそれを知らない平塚先生は視線だけで比企谷にその理由を聞いた。
「料理は主夫の必須スキルですからね」
 比企谷が答えると平塚先生は控えめなマスカラで縁取られた大きな瞳をぱちぱちと二、三度瞬(まばた)かせた。たぶ
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