第六章
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「ないだろ」
「比較対象間違ってるでしょ」
「じゃあオリックスか、同じ関西のチームだしな」
「やっぱり間違ってるでしょ」
兄に冷めた目で告げた。
「流石に」
「金満球団だからか」
「そうよ、幾ら何でもね」
それこそというのだ。
「巨人は落ち目でもね」
「そうなんだな」
「ええ、しかしね」
それでもと言うのだった。
「阪神もなの」
「お金はな」
これはというのだ。
「あまりないだろ」
「ない感じしないけれど」
「あれか。親会社じゃなくて」
「チーム自体の人気が凄いから」
今や十二球団一である。
「お客さんが入って」
「甲子園にね」
「それでグッズも売れて」
「それじゃあね」
「お金あるか」
「そうでしょ、カープも人気出たけれど」
それでもというのだ。
「流石によ」
「阪神には負けるか」
「だからね」
「チーム自体の収入が違うか」
「そうよ、だからお金はね」
「あるか」
「それでフリーエージェントもね」
こちらもというのだ。
「お金があるから」
「出来るか」
「やろうと思えば」
そうならというのだ。
「幾らでもね」
「そうなんだな」
「そうよ、ただね」
「ただ？」
「今はしないのね」
「金本さんからそうでな」
「矢野さんもそうで」
そしてと言うのだった。
「今の岡田さんもなの」
「あの人もそうだからな」
「フリーエージェントはしないのね」
「そうだな」
「巨人とは違って」
「そうなるな」
「そうなのね、お互いしなくても」
カープも阪神もというのだ。
「色々違うわね」
「阪神はしないんだ」
敢えてというのだ。
「そしてな」
「カープは出来ないのよ」
「そうよね」
「だから」
それでというのだ。
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