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第四十七話 慕情その八

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「そうしてくれるか」
「はい、それでは」
「またな」
「今度は親しくお話したいですね」
「敵同士でなくてな」
「全くですね、では僕もです」
 ??も言ってきた。
「これで、です」
「ああ、都庁に戻ってな」
「手当てを受けます」
「宜しくな、俺のことも伝えてくれるか?」
「自衛隊の病院に行かれますね」
「そのことをな」
「そうさせてもらいます」
 ??はこう言ってだった。
 戦場から姿を消した、そしてだった。
 征一狼も議事堂の方に撤退した、草薙は自分だけになるとだった。
 護刃を探し呆然としている彼女に物陰から声をかけた。
「拝殿の方に来てくれるか」
「その声は」
「ああ、いいか」
「わかりました」
 護刃はようやく幾分我を取り戻しそうして拝殿の方に来た、そこで草薙は彼女が見えない拝殿の屋根からまた声をかけた。
「ここでな」
「お話をですね」
「するか」
「それじゃあ」 
 草薙の言葉に頷いてだった、護刃は犬鬼と共に拝殿正面の右側に来た、そして草薙は左側に出てお互い背中合わせになってだった。
 拝殿の正面を挟んでそれぞれの姿を見ない様にして話した、護刃から草薙に言った。
「地の龍だったんですね」
「ああ」 
 草薙はそうだと答えた。
「そして嬢ちゃんもな」
「天の龍です」
「敵味方だったなんてな」
「思いませんでしたね」
「全くだ、因果なものだ」
 草薙は苦い顔で述べた。
「本当にな」
「そう、ですね」
「けれど俺は戦えなくなった」
 草薙はこのことを話した。
「だからな」
「私もです」
「お互いに戦うことはなくなったな」
「そうですね」
「仲間、封真には悪いがな」
 それでもと言うのだった。
「俺もこれでな」
「戦線離脱して」
「嬢ちゃんとも闘わずに済むな」
「そうなりましたね」
「そのことは嬉しいな」
 草薙はうっすらと笑って述べた。
「素直にそう思うな、それじゃあな」
「これで、ですね」
「俺は病院に行くな」
「そうされますか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「暫く入院するよ」
「自衛官の方なので」
「ああ、言ったな」
「だからですね」
「自衛隊の病院に行ってな」
 そうしてというのだ。
「手当てを受けるな」
「わかりました」
「それで犬鬼のことも聞いたよ」
 彼のことも話した。
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