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俺様勇者と武闘家日記
第3部
ムオル〜バハラタ
父の軌跡・前編(ユウリ視点)
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ろ、このボケ女。
「後ろ姿の雰囲気がポカパマズさんにそっくりなんだよ。まあ、ポカパマズさんに比べれば、随分と綺麗な顔だけどね」
 そういうと女は顔を赤らめながら俺の方を見つめてくる。……さりげなくポカパマズを貶しているように聞こえるのは気のせいだろうか?
「そのポカパマズとやらは、どういう人物なんだ?」
 女はしばらく考え込むと、何かを思い出しながら話した。
「そうねえ……、最初は怪我がひどくてずっと寝てたみたいだけど、動けるようになってからはよくルドルフさんの息子さんと遊んでるところを見たわ。きっと子供が好きなのね」
「他に何か特徴はないのか?」
「私よりも、ルドルフさんの方が詳しく知ってると思うわ。ここから西にまっすぐ行って、道具屋の角を左に曲がったところにある防具屋がルドルフさんの家よ」
 つまり防具屋を探せばいいわけか。用事が終わったらそこに行ってみるか。
「おいユウリ、荷物はあらかた積み終わったぞ。つーかお前も手伝えっつーの」
 俺が店主たちと話し込んでる間に、バカザルが荷馬車に材木を積み終えたようだ。それはさておき、俺は店主たちの方に顔を向けると、一言礼を言った。
「ありがとう。邪魔したな」
 俺は結局手間賃の催促や値引きなどを行わず、代金を定価で支払った。まあ、店主からしたら定価で金をもらうなど当たり前のことなので何も言わなかったが、俺としては十分譲歩している。
「ユウリが商品を定価で支払うなんて……!」
 後ろで信じられないものを見たかのように驚くボケ女。俺は条件反射でこいつの髪の毛を引っ張った。何やら文句があるようだが、先にケンカを売ったのは向こうなので仕方ない。
 そんなことより俺は自分に雰囲気が似ているポカパマズという人物の方が気になって仕方がなかった。様々な憶測が頭のなかで飛び交うが、どれもピンとこない。だったら防具屋で情報を集めた方が手っ取り早いと感じた俺は、早々に道具屋を後にしたのだった。


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