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後ろ髪
第二章
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「ではまずは萩ですべきことをして」
「そしてですか」
「そのうえで、ですか」
「また動く、僕は最後まで先生のことを忘れない」
 こう言って涙を拭いて前に踏み出した、もう後ろ髪を引かれる思いはなかった。それはもう既になくなっていた。
 そうして動いていった、高杉晋作が萩に戻った時の話である。志士一人一人にこうした一幕があったのである。それもまた歴史であり人間であるのだ。


後ろ髪   完


                  2023・6・14
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