暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生とラーメン
第三幕その十一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「もういいけれどね」
「その考えは美徳ですが」 
 無欲であって満足を知っていることはとです、トミーもやれやれとなりながら先生に対して言いました。
「ですが」
「それでもなんだ」
「はい、幸せに際限はなくて」
「僕もなんだ」
「これまで以上にです」
 まさにというのです。
「幸せになれますよ」
「そうなんだ」
「確実に」
「今以上の幸せってあるのかな」
 先生は首を傾げさせて思いました。
「果たして」
「僕達がいて素敵なお家があってお仕事があってですね」
「美味しいものを食べられて好きなだけ学問が食べられるんだよ」
 これだけ揃っているからだというのです。
「もうね」
「最高にですね」
「幸せだけれどね」
「ここで奥さんとか」
「だから僕にはね」
「無縁ですね」
「そちらはね」
 明るく笑って言うのでした。
「何しろ恋愛はね」
「無縁ですね」
「それが僕だからね」
 だからだというのです。
「もうね」
「そちらのことはですね」
「ないよ」
 絶対にというのです。
「本当にね」
「そうなんですね」
「そうだよ、結婚しなくても」
 奥さんがいなくてもというのです。
「僕は最高にね」
「幸せなんですね」
「そうだよ」
 またトミーに言いました。
「もうね」
「だからですか」
「これ以上の幸せなんて」 
 それこそというのです。
「絶対にね」
「ないんですね」
「満足しているしね」
 今の状況にというのです。
「本当にね」
「そうですか」
「うん、このままね」
 さらに言う先生でした。
「皆と一緒にね」
「楽しく暮らされますか」
「お仕事と学問を続けながらね」
「先生今お金もあるしね」
 王子はこのことを言いました。
「大学の教授さんだから」
「安定した収入も得られる様になったよ」
「そうだよね」
「そのこともあるしね」
「幸せなんだね」
「うん、とてもね」 
 ここでも笑顔で言うのでした。
「僕は」
「それで満足なんだね」
「日本に来てね」 
 そうしてというのです。
「僕は最高に幸せになったよ」
「日本に来てよかったね」
「もうずっとこの国に住みたいよ」
 こうまで思っているというのです。
「本当にね」
「それは何よりだけれど」
 それでもと言う王子でした。
「ちょっとね」
「駄目なんだ」
「先生がすぐに満足して」
 そうしてというのです。
「最高に幸せだって言うのはね」
「よくないのかな」
「この場合はね」
「わからないんだけれど」
「それがわからないのがね」 
 まさにというのです。
「本当にね」
「駄目なんだ」
「そうだよ」
 こう言うのでした。
「僕達皆がそう思っているよ」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ